思考停止の怖さ

最近哲学に興味をもち、いろいろググっていたら、ハンナアーレントという女性哲学者にいきつき、彼女の映画があるということで見て見ました。(アマゾンでダウンロードできます!)

この記事の結論は、哲学とまではいかなくとも、そもそもこれどうなの?って日々常識をちゃんと疑い、自分で善悪の判断ができるよう意識していこうって話です。(私が書くとなんて浅く聞こえてしまうんだろうか)

物語のざっくりとしたあらすじ↓

まず、時代背景はヒトラーがユダヤ人を迫害している時代で、当時ユダヤ人を強制収容所へ送り込んでいた指揮官アイヒマンが裁判にかけられているというところです。ハンナ自身ユダヤ人であり、さらには収容経験もあり、そこからなんとか逃げ出し、アメリカへ亡命して助かったユダヤ人なのです。そんな当事者のハンナがアイヒマンの裁判の記事をニューヨークタイムズへ連載することになったのですが、なんとそこで書いた記事はアイヒマンを擁護するような内容で、ユダヤ人からすごいバッシングを受けるという話です。



ただ本当のところは、彼女はアイヒマンを擁護しているのではなく、彼が思考停止で人間ではなかったと言っています。これを彼女は「凡庸の悪」と名付けています。アイヒマンは裁判で、" 命令されたからユダヤ人を収容所に送っただけだ" "あの状況で断ることができなかった" "任務を遂行したまでだ" "自分は実際には殺してはいない" などと供述しています。

ハンナは哲学者なのでこの供述から、彼自身が考えて悪(サタン)の心で行ったことではない。彼は普通の人間なのだ、と記事を書いています。普通の人間が思考停止になった状態が一番危険で悪を行ってしまう。悪いと思っていないので淡々とこなしてしまう。この結果20世紀最大の事件にまで発展してしまったと記事を書いている。

この映画を見て規模は違えど、日大のアメフト部の事件を思い出した。狭い空間にいて絶対的な人に命令されるとその出来事が、善か悪かを自分で考えることなく実行してしまうのだと。そして誰もがそういった人間になりうるのだと考えさせられた。朝起きて、歯を磨いて、食事は一日三回で、仕事は週五日こなして、土曜日と日曜日はおやすみ、夜になったらお風呂に入って寝る。これはいったい誰が決めたんだろう。日常を疑ったらキリがないし頭が大変なことになってしまうけれど、自分の人生を一番考えてあげられるのは自分なのだから、自分の為にたくさん考えて良い人生にしたいなと思った一日でした。

おしまい。



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