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ナオコライフ②48 冬入りの諸相

2023.12.2

3時起床。えらい早くに目が覚めた。さすがにヨガをやる気がなく、台所におりる。コーヒーを淹れる。本を読んだり、動画を見たりするが、うとうとする。結局、居間で寝る。

今日のタロット日記

「ペンタクルの10」
継承。今は亡き母方の祖母を想う。どうやら、家事はあまり好きではなく、書道に専念していたようだ。今でも祖母の字はよく覚えているが、角々としながらも流れていた。祖母は母たち子供4人を連れて、東京までゴッホ展を観に行った。その話をよく覚えている。母はろくに遊んでもらえなかったといっているけれど、そんな祖母の話を聞くたびに、わたしは隔世遺伝をしてるのではないかと思う。

母とウォーキングへ。すぐそこの山を登ろうという母に、日向を歩こうよと誘う。結局町内一周、川沿いの草原も歩く。お互いに足元の草に転ばぬように慎重に歩く。日向コースにして正解だった。相変わらず工事中で、音が響く。昨晩から居間のホットカーペットが気に入ってしまい、味を占めてごろごろしている。もっぱら読書する。

毎日やりたいことをやって暮らしている。それでほぼ体調をキープできていて、先日まではこの2年でめずらしく軽い鬱になったけれど、それ以外はだいたい安定した状態を保っている。よく、暇だとメンタルの状態を崩すといわれているけれど、人と密に接触したりするほうがよっぽど体調を崩すので、今の暮らしが合っていそうだ。わたしはカフェによく行く。カフェはひまつぶしではない。わたしのようなわりと孤独な世間から離れた暮らしをしていると、カフェという避難所が必要となる。カフェという空間がシェルターなのだ。カフェは、はぐれ者がいくところだから。

古い友だちから連絡があり、会うことに。


2023.12.3

5時起床。まるで長い夢を見ていたような眠りだった。コーヒーを淹れる。ぐいぐいと飲み干して、白湯を飲む。

今日のタロット日記

「ペンタクルの10」
2日連続で同じカードが出た。なんてこった。父はコレクター気質だった。雑誌「太陽」を創刊から買い続け、我が家の本棚にはずらりと並んでいた。第一回太陽賞荒木経惟「さっちん」から、わたしが多感な80年代〜90年代初頭の頃の特集が1番スリルがあった。わたしのベースを作ったといえる。父よりもわたしが見ていた。コレクター気質も継承していたので、ポストカード収集をし、今でもファイルに収めてある。まあ、今この歳になっては、コレクター気質も落ち着き、手放す方向へと向かっている。

朝から津波警報。母が予定していた防災訓練に出かけていった。

わたしの部屋には、あるポストカードが額に入れて掲げてある。子供がゴッホの自画像を模写した絵だ。もちろん、子供が描いたものだから、本物の緊迫感よりとてもゆるい仕上がりとなっているのだけれど、ゴッホは耳に包帯を巻いている。この絵を象徴として、テーブルの前へ掲げ、自分の障害を忘れてはいけないよ、という投げかけとなって、いつも眺めている。わたしの障害はネット上ではとてもわかりにくく、共に暮らす母しかわかってないというのが本音。それでも、時に暴言とでも言えそうなことを吐くわたしの文章を読んでくれる方々に感謝をしています。

急に風が強くなり、ひゅーひゅー吹いている。2階の部屋でじっと耳をすまし、椅子に座る。平和で幸せな時ってどんなだろうと思うけど、今がそうなのではないかな、と感じている。たぶん過ぎてから、あんな何気ない時が幸せだったのだろうと振り返る時がくる。そんな最中にいるのではないか。ひとりでいる時に幸せをかみしめ、もちろん、ひとりでは生きていけないから、貴重な存在である母に感謝し、愛する人を思う。幸せなんだ。風が吹く中、古い家に守られている事実を噛みしめる。


2023.12.4

4時起床。久々にヨガをやる。コーヒーを淹れる時に体が喜んでいるのがわかる。おいしく淹れられた。ストーブの音に耳をすます。幸せで静かな朝。

今日のタロット日記

「ワンドの2」
この1年のやりきったことを思う。タロットという新しい分野に着手し、夢中でいる。まだ一歩前進したというところまでだけど、それでも地球儀をもって先の見えない未来を見ている。心と体にカードを落とし込むということは、並大抵のことではない。時間がかかることだ。道は続く。

朝ごはん後に、母が片付けをし、わたしはお風呂掃除、部屋の片付けをして窓を清々と開けて換気し、空気を入れ替える。音楽のせいか、力が入らなくてしばらく台所で妄想に耽る。涙が出る。

部屋の日向に座るうちに、庭へ出ることにし、小菊の剪定を少しした。まだ残り咲きしている花たちをそのままにする。椿だか山茶花だかわからなくて、でも時期的に山茶花だとおもうけれど、6年目にしてやっとたくさん咲いてくれているのを眺める。山茶花はやはりどこか侘しい。また部屋に戻り、日向に座る。すぐ近くに小さな山があるから、カラスが威勢よく鳴いている。こんな静かな冬の入口には音楽はいらない。






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