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230.選挙管理委員会って、著作権や肖像権を知らないの?

1.福岡県警は人気歌手の曲を無断配信した
男子学生の掲示板管理者逮捕
 


2009年4月20日。福岡県警生活経済課は、著作権法違反 ( 公衆送信権侵害 ) 容疑で大阪産業大学2年生の男性を逮捕した。

この大学生は、人気歌手のアンジェラ・アキさんらの曲を著作権者に無断でインターネット上の掲示板サイトに張り付け、不特定多数がダウンロードできるようにしていた。

逮捕された本人は容疑を認めており、「後輩からやり方を教わった」と供述したという。この著作権法違反 ( 公衆送信権侵害 ) でレンタル掲示板管理者を逮捕するのは全国初とのこと。

逮捕内容は、男性が2008年12月から2009年1月の期間、自宅や大学のパソコンから自分が開設した掲示板サイトにアンジェラさん、島谷ひとみさん、Paboが歌う3曲のデータを無断で張り付け、不特定多数に送信できるようにして著作権を侵害したという。

著作権を管理している日本音楽著作権協会 ( JASRAC)によると、このサイトには利用者からのリクエストを受けて三千数百曲が登録されていたという。1月上旬、福岡県警ネット犯罪担当の捜査官が発見し、連絡を受けたジャスラックが3月に告訴していた。

2.選挙管理委員会は著作権や肖像権を知らないの?


 芸能人を選挙のポスターに掲載する事件が一時多発しました。
それは過去にオリンピック金メダリストの高橋尚子選手、タレントの真鍋かをりさんなどの肖像を無断で使用した事件です。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より




しかし、選挙ポスターの作成に関してはどこの地域でも「選挙管理委員会」があり、届け出をして掲示するための承認番号をもらったりしているはずなのにどうしてポスターが刑事されたのかが今でも不思議で仕方ありません。
 
このようなことをいうと叱られるかもしれませんが、「選挙管理委員会」は著作権や肖像権のことを知らないのかもしれません。


https://www.e-senkyo.net/board/より


 
例えばこんなトラブルや事件も多発しています。

それは、選挙の候補者の肖像写真です。

ポスターなどは候補者も確認しているので問題はないのですが、都道府県市町村において選挙管理委員会は候補者のタブロイド判ぐらいの広報物印刷物を作成します。

それには候補者の一覧と、候補者のプロフィール、公約等が記載されているのですが、その写真を撮影したカメラマン(著作者)や候補者(肖像権者)からクレームがつきました。

その理由は、掲載された肖像写真を勝手に修正加工し、トリミングしていることです。

つまり元の写真を広報物に統一して入れたいために加工したことでした。よくよくその掲載物を見ると、頭と顔の大きさを候補者全員同じ大きさにするための加工でしたが、それが撮影者、肖像者に許可なく勝手に修正を入れたことでした。

これでは確かに、著作権法でいうところの「著作者人格権侵害」となります。著作者人格権侵害とは「著作者の許可なく勝手に改変してはならない」という人格を守る法律があり、製作者の都合で勝手に改変してしまったことに問題があるのです。

3.千の風になっての本当の作者がいた~


原詩作者不明となっている。


原詩作者不明となっている。


原詩作者不明となっている。



こんなこともありました。
全国に知られた「千の風にのって」の詩の作者は不詳ということで世間には知られていますが、この著作物はネットで世界中に広がった詩でもあります。
残念ながら著作者が明確になった現在でも著作者名は表示されていません。
「千の風にのって」は曲が付きヒットしました。本の売れ行きは何度も再販を繰り返し増刷されましたが著作者のマリー・フラィエさんの名前はどこにもでていません。

この詩は後にマリーさんがどなたでも使用してかまわないというコメントを残していますが、著作権がフリーとなったとしても著作者に敬意を払うこと、そしてマリーさんには著作権を破棄したとしても「著作者人格権」は存在しています。

そのため勝手な改変や修正はできないものなのですが、一部の大手葬儀屋さんでは都合の良い部分だけ抜粋して原文とは異なる扱い方をしたりしています。

また、利用している会社なども著作者名をどこにも掲載していないという事実もあり、私は紙媒体の出版物や本書でも登場させて広く知らしめるようにしています。

「千の風」は娘を思う母の気持ち、母を思う娘の気持ちを表現した素晴らしい著作物であり、利用する人はせめて著作者名を掲載するべきだと思います。
それが思いやりと敬意だと思うのです。



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※注 この著作権noteは1999年からの事件を取り上げ、2000年、2001年と取り上げ続け、現在は2002年に突入。今後はさらに2003年から2020年~2022年に向けて膨大な作業を続けています。その理由は、すべての事件やトラブルは過去の事実、過去の判例を元に裁判が行われているからです。そのため、過去の事件と現在を同時進行しながら比較していただければ幸いでございます。時代はどんどんとネットの普及と同時に様変わりしていますが、著作権や肖像権、プライバシー権、個人情報なども基本的なことは変わらないまでも判例を元に少しずつ変化していることがわかります。
これらがnoteのクリエイターさんたちの何かしらの参考資料になればと願いつつまとめ続けているものです。また、同時に全国の都道府県、市町村の広報機関、各種関係団体、ボランティア、NPО団体等にお役に立つことも著作権協会の使命としてまとめ続けているものです。ぜひ、ご理解と応援をよろしくお願い申し上げます。
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