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アルゼンチンで観た日本映画   Perfect Days (ネタバレあり)



今まで日本では日本の映画を観るという機会もなく、多くを語るほどの見識もないがアルゼンチンで日本の映画を観て、何とも不思議な気持ちになった。



結論から言うと『THE東京』

舞台は東京。そこで暮らす男性の日常が描かれている。
その景色一つ一つが、海外で観ることによって何とも感慨深い景色の連続だった。東京スカイツリーや首都高速での運転席の景色は、当時見ていたものと全く同じもので、アルゼンチン人にどう映っているのかも気になっていた。


毎日繰り返されるだけの日々

平凡な日常をルーティンの様に繰り返す。
ただそれだけのことで、日本にいる頃なら何も感じることもなく終わっていた映画。アルゼンチンに来ると、この日常を繰り返すことすらままならないという現実。
「ちゃんとした国」の日本だからこそ起こり得る日常、もうこれだけで海外で観ることの意義を感じていた。
同じ時間に起きて、同じ時間に帰宅して、同じ時間に寝る。自分の置かれた環境が全て潤沢に揃っている日本だからこその平凡な生活、それが実現できるのが日本という国なのである。


台詞が少ない映画

外国人が観るにしても、台詞が少ないので描写や心境が伝わりやすい。少ないワードに大きなポイントがいくつもあるので見逃すこともなく、映画ビギナーでも伝わりやすいような内容だった。
特に主人公が一人で暮らす日常なので、日常会話もほとんどない。そんな中で起こる小さな出来事が小さい発見になっていく。


アルゼンチン人も観に来ていた



銭湯や自動販売機

日々のルーティンで登場する銭湯や自動販売機。これはアルゼンチン人にとってどんな風に見えたのだろうか?という疑問。
風呂桶を持って出かける風景は、日本だけのものかもしれない。
自動販売機で飲む缶コーヒーが、海外では何に見えているのかというのも気になった。
日本では銭湯も少なくなっていて、現代の若者には不思議な光景なのかもしれないが、プライバシーを重んじる海外目線での『風呂』には相当な違和感があるのではないかと勝手に推察していた。



親子で映画を観て話したこと


どんな仕事でも誇りを持ってやるからカッコいい。
満たされた環境だけじゃなく、何にもない日常にも「幸せ」がある。
愚痴を言う前に、空を見上げて景色を感じる当たり前に感謝する。

そんなことを映画の帰りに話しながら帰って来た。どうしても人は他人と自分を比較してしまい、今あることに文句を言う癖がついてしまう。
空を見上げて、今日も一日が始まったんだって思えることが幸せなことで、人のためにできることを探して、自分がココにいることに誇りを持てることが一番カッコいいんじゃないかって話す機会になった。

日本で見ていたら、気づくことのない日本の素晴らしさ。そこには支えあう人が必ずいるってことも、海外でこの映画を観ることで気づくことができたのかもしれない。

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