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メルヘン「クラスペディア」①

昭和から平成へ移る頃、図書館も図書カードからパソコンへデータを移行する作業を図書委員の先生はしていた。

本を借りるには、まず代本板を持って行く。代本板は、長方形を斜めにカットした台形で背表紙にあたるとこにはビニールテープで色わけされていて、赤、黄、緑で学年がわかるようになっていて、そこに名前が書いてある。

クラスの後ろの棚には代本板が並べられている。いつもよく本を借りる生徒は、いつもその棚に代本板はないという事になる。僕の代本板はいつも図書室の本と入れ代えられて、借りた本を抜き出した場所が示されてるという事になる。

本を手に取ると後ろのポケットに図書カードがあり、日付けと名前を書き図書受付で出すというシステムだ。
そして手元の自分の図書カードにはどれだけどんな本を借りてきたか記録として残る。たくさん読んだ人は賞状がもらえる。
小学生でもないのに、賞状はもういらない。

気になって仕方なかったのが、本に差し込まれた図書カードの名前に、そう僕が借りる前に、いつも借りてる名前があった。
大原玲。アキラちゃん?くん?
やっぱ女子生徒にしておこう。
僕もアキラ。壮平暁

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ごめんなさい。詩に夢も憧れもありません。できる事をしよう。書き出すしかない。書き出す努力してる。結構苦しい。でも、一生書き出す覚悟はできた。最期までお付き合いいただけますか?