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自称清潔な心 同僚の鬱病について

会社の先輩が鬱病で休職した。
その先輩は長時間の残業が日常化していた。
何が作用して鬱病になってしまったのかは分からないけれど、業務体勢は健全で無かったと思う。

僕は今回の休職を他人事だと思えない。
何故なら、いつか自分の順番が回ってくると直感しているからだ。
ランダムに脱落していくロシアンルーレットの様に今回は自分の順番が来なかっただけなのだ。
僕は弾丸がこめかみを貫通する瞬間を震えながら待つしかない。

先輩の休職から少し経って、会社の飲み会があった。
そこで課長が先輩の鬱病と休職をネタにして、笑いを誘った。

瞬間、虫酸が走った。
本能的な嫌悪感を課長に感じた。
しかし社会人としての僕の身体はウラハラであった。
僕はニヤニヤとした笑顔を浮かべていた。少しでも自分の立場を良くして、課長に気に入られ様とした。
ふと周りを見回すと、誰もが同様の表情を並べていた。
それはとてもグロテスクな光景だった。

僕は大声で
「僕は違うんです!!僕の心はコイツらと違って清潔なんです!!」
と叫びたかった。
しかし僕はニヤニヤを止める事が出来ず、自称清潔な心が乖離していくだけであった。


課長は自身の心について、どの様に思っているだろうか。
彼が明日の僕でない事を祈る。


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