実家に住んでいた頃はよく相撲を見ていた。
仕事から帰ってきた父がNHKプラスで相撲中継を見ていたからだ。
この力士は押されるすぐに引くだとか、この力士は十両から駆け上がってきたとか、この行事の腰は常に低いだとか教えてもらいながら見ていた。
そんなだから場所がある時は毎日相撲を見ていて、自分も伯桜鵬の活躍だとか熱海富士の人気だとかわかるようになっていた。

気づいたら九州場所が9日目も終わっていた。
実家を離れ、東京で仕事を始め、生活が変わった。
相撲を見てあーだこーだと喋り、どこか繋がることが出来ていたような気がしていた父との距離が空いてしまった気がした。