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スタディーカウンセラーへ 経験よりも共感と想像力

最近プレッシャーはあっても勉強が手につかないという状況もあり、勇気を出してスタデイーカウンセラーに相談してみた。さすが大きな組織、オンラインで予約でき、勉強方法やプランの立て方、心身の健康状態などを相談できるようだ。若くて素敵なお姉さんが相談にのってくれた。まず自分の状況を話す、3回目なので今回落ちると勉強を続けられなくなる恐れ、なのに集中できない、また子育てとの両立で時間が限られていることを話した。

スポーツや他の活動と勉強を両立している生徒はたくさんいるけど、あなたのケースはもうちょっと特殊で複雑よね。スポーツなどは今いったんストップして勉強に集中することはできるけど、あなたは母親であることをやめることはできないものね。

当たり前だけど意識してなかった事実を言い当てられた。バイトや他の活動と両立してる生徒をたくさん知っていて、どこかでどうして自分はできないんだろうと卑下していた気持ちが軽くなった。彼女はおそらく20代で結婚や子育ての経験はないだろうけど、わたしの状況によりそって色々提案をしてくれた。

どこかで経験者のが適切なアドバイスをくれるはずと思っていたバイアスを華麗に裏切ってくれた。女性だから、母親だから、出産経験があるから、わかってくれる。それってそんなに大切なことではないかもしれない。まず同じ経験そのものは存在しない。またわかると思って相手の状況を過大、または過小評価してしまう恐れもある。ワーママ経験者がそれくらいできるだろうとプレッシャーをかけたりする例を友人から聞いたこともあったっけ。わたしもつわりが酷く会社も一か月近く休んだとき、まわりで同じような経験者がいなくて辛かった。今思えばいなくて当然、同じ痛みを経験しなくてはわかってもらえないなんて少々傲慢な考えだ。体調が悪い自分を気遣ってヘルプしてくれる。それで十分なのだ。

ベルギーに来てから自分のバイアスを自覚したことはたくさんある。バスドライバーや電車の車掌さんが女性であること、財布を無くしていった警察署の担当者も女性。遭遇して初めて自分のなかにあった無自覚な決めつけに気づく。

人類学を学んだ後の進路もあいまいだと話したらそちらに詳しい方とも話せることになった。若い男性のようだ。同じ経験、同じ属性だからわかりあえるはずと願う幻想より、共感と想像力が導いてくれる世界をみたい。次回の面談を楽しみにしながら足早にカフェに急いだ。週末は朝から晩まで家族と密に過ごしたので久しぶりの1人時間に心が高鳴った。こんなにのんびりしてるから勉強がすすまないのは百も承知ながら晴れた空の下を足早に歩いて行った。


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