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    読書感想文です。

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    歌詞も最高なアヴィーチーの名曲を和訳。

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【in my book_#16】 吉成真由美 『知の逆転』

「有名な本だけれど、何を言っているのかわからない」 そう感じることはないだろうか? 僕もその一人で、学生の頃にニーチェやカントをバイトの休憩時間に読んでみても、通学の時に「罪と罰」を読んでみても、今覚えているのは、そのアカデミックでカッコいいタイトルだけだ。 しかし、そこで終わらないのが「知」を求める人とそうでない人のわかれ道だと思う。 ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』という世界的ベストセラーになった著書がある。 「世界的ベストセラーなんだから、読んでみるか

    • 【in my book_#15】 ビートたけし 『下世話の作法』

      ” この本は、私の『聖書』である。 ” タイトル通り、これまで読んだ北野作品の中でも核心に迫る内容だ。 全編を通して著者の意見は至極真っ当で『正しい』のだが、この『正しさ』をもって人生を生きることがいかに難しいかということに気づく。 人生いろいろ、男もいろいろ、女だって。。。とは、よくいったもので、基本的に人生は思い通りにならない。 じゃあどうするのか?という岐路に立たされたとき、本人の考え方や行動で全てが決まっていくのではないだろうか? 本書では「品とは」「粋とは

      • 【in my book_#14】 サムの本解説ch 『世界のベストセラー41冊から僕が導き出した「日本人」が「仕事」で最高のパフォーマンスを発揮する方法』

        書評YouTuberで現役大学生?の「サムの本解説ch」さんの書籍。 さまざまなオススメ本を4ページ程度に要約して紹介されている。 本を読むのは時間がかかる。とくに、難しい本はせっかく読んでも頭に残らない。 もっと効率よく、短時間で「それ、知ってる!」を得られる方法はないか? ありました!ここに! この本の冒頭でも書いてあるように、何も100%を目指さなくていいと著者は言います。平均60点を目指そうと。 そう思うと、今まで本とにらめっこしていたことも、「別にいいや、ほ

        • 【in my book_#13】 北野武 『新しい道徳』

          全5章から構成される本作は総ページ数は200ほど。 読みやすい文章でサクサク読める。 内容は是非読んでいただくとして、個人的な感想として次の一例をあげたい。 「電車に優先席なんて必要ない。お年寄りに声をかけて席を譲ればいいのだから」 北野氏のいう道徳とは、つまりは何かしらルールにしばられるのではなく、自分で考えて、相手のことを考えて、自分で行動できる人間のことを道徳的だという。 つまり、電車で座っていて目の前に年寄りがいたら、気を利かして席を譲ればいいだけのことを、優

        【in my book_#16】 吉成真由美 『知の逆転』

        • 【in my book_#15】 ビートたけし 『下世話の作法』

        • 【in my book_#14】 サムの本解説ch 『世界のベストセラー41冊から僕が導き出した「日本人」が「仕事」で最高のパフォーマンスを発揮する方法』

        • 【in my book_#13】 北野武 『新しい道徳』

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          16本
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          【in my book_#12】 村田沙耶香 『コンビニ人間』

          「コンビニ人間」。。。便利に利用される人のことかと思いきや、違った。 幼少期より独特の感性を持つサイコパスな主人公が、現代を象徴するシステム化された仕事「コンビニ店員」であるときだけ、他人と「普通」であることを実感して生きていける。という内容だ。 描写も細かく、場面を想像しながら読んでいた。 淡々と情景描写される中で、ときおり出現する主人公のサイコパス的な文面に残酷さにも似た存在感があった。 36歳未婚女性を主人公にすることで、社会問題にも接するような設定にしていて、登

          【in my book_#12】 村田沙耶香 『コンビニ人間』

          【in my book_#11】 町山智浩 『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』

          「アメリカの今を知るTV」でおなじみの町山智浩さんのコラム集だ。 内容はTVと同じく、いつもの鋭い切り口で「本当のアメリカ」をズバズバとさらけ出している。 町山さんを知ったきっかけは2009年にTOKYO MXで放送されていた「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」だった。 この番組は、アメリカの闇を暴くような映画が紹介され、その映画についての解説を町山さんがするスタイルだった。 その解説を聞いて、「本当に色々なことを知ってるなあ」と感心しながら番組を観ていた。 それと、

          【in my book_#11】 町山智浩 『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』

          【in my book_#10】 辛酸なめ子 『辛酸なめ子の世界恋愛文学全集』

          大学生の頃、同じ研究室の10歳年上の友人が「辛酸なめ子」のファンだった。当時、22歳だった自分には、世間をナナメから見ているような視点が受け入れられず、ずっと読まなかった。 けれど、ぶっ飛んだことを書いているようで書いてない。 読んでみると、大人にしかわからない「解放された感情」のような、子どもには知って欲しくない「恋愛の真実」のような、何とも見てはいけないものを見るようだ。 それでいて「エグい」「エロい」「キモい」内容でも、「あっ、これが恋愛文学なんだ」と納得できる自分

          【in my book_#10】 辛酸なめ子 『辛酸なめ子の世界恋愛文学全集』

          【in my book_#9】 著者多数 『NHK国際放送が選んだ日本の名作 1日10分のごほうび』

          上記で紹介した本と同じシリーズ。 今回もいろいろな発見があった。 江國香織「晴れた空の下で」 ささいな日常を描く文章が勉強になった。ストーリー展開も絵本のように感じ、他の著書と雰囲気が違うと思っていたら、もともとは童話作家としてデビューされたとのことで納得。 中島京子「妻が椎茸だったころ」 妻を亡くした男のはなしなのに、これは女性にしか書けないと思った。 料理のことや、娘との関係性など、こういことは男が客観的に書くことは、とても難しいのではないだろうか? だからこそ、話の

          【in my book_#9】 著者多数 『NHK国際放送が選んだ日本の名作 1日10分のごほうび』

          【in my book_#8】 ドリヤス工場 『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』

          絵はどう見ても「水木しげる」。 だが、違うらしい。まず、そこが不思議。 昔読んだ作品をあらためてサクッと知りたい方や、タイトルだけ知っているけど読んだことがないという方におすすめの本。 活字で読むのが難しい場合は、この本を読んでから読むのもよさそうだ。 著者もそういった読み方をおすすめしている。 読み終わって、ふと気づいてしまったが、日本の小説は昔から人間の姿を深く深く追求したものが多いと思った。いま風に言うなら「エグい」のだ。 パワーワードなんか、ガンガン出てくるし

          【in my book_#8】 ドリヤス工場 『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』

          【in my book_#7】 ビートたけし 『バカ論』

          またまた読んでしまった、ビートたけし。 これまで、何冊か読んできたが、一貫した感想は「常識的で、繊細で、たまに猟奇的」であるということ。 特に、足立区で生まれ育ったことなど、自分の生い立ちに関するエピソードは共感する点も多い。 狭い中でひしめきあって暮らしているのに、突如、神童のような子どもが爆誕したり、大酒飲みのどーしょーもない旦那を支える妻とか、家族の話とか、昭和らしい微笑ましく懐かしいこともあるが、その当時は必死だったからこそ、今では笑い話になっている印象を受ける

          【in my book_#7】 ビートたけし 『バカ論』

          【in my book_#6】 ビートたけし 『ゴンちゃん、またね。』

          ビートたけしのON/OFFを感じる内容。 犬好きからすると、ラストは悲しい話だった。 「菊次郎とさき」でも、飼い犬のことは描かれていたと思うので、実際の体験も話に入っているかもしれない。 最初の10ページくらいは小説家らしい文章だが、そのあとは笑いあり、学びありの、いつものたけし節が炸裂する。 途中の挿絵が、独特な世界観をつくっていて、物語の世界を広げてくれた。 と、ここまで書いておいて、ふと本を手にとり、裏面の帯を読んだら、まったくもって同じことが書いてあった(笑)

          【in my book_#6】 ビートたけし 『ゴンちゃん、またね。』

          【in my book_#5】 著者多数 『NHK国際放送が選んだ日本の名作 1日10分のしあわせ』

          著名な作家の短編小説をまとめた本。 会社の昼休みに読んでいたら、ほんとうに10分くらいで1つ読めた。 これは、おもしろいのでおすすめです。 特に、普段、あまり本を読まない人や、ちょっとした時間に何かしら得たい人にはいいと思う。 今まで、ほとんど小説を読んだことがないので、この本のように短編で組み立てる文章術とか、情景描写、展開など参考になることがたくさんあった。 500円なのに、得した気分だ。 個人的には 角田光代『鍋セット』 坂本司『迷子』 がおもしろかった。

          【in my book_#5】 著者多数 『NHK国際放送が選んだ日本の名作 1日10分のしあわせ』

          【in my book_#4】 (まんが)葉月 (監修)山形浩生 『まんがでわかる サピエンス全史の読み方』

          「人類はフィクションの世界を創り出し、そして進化してきた」 ということを、ひたすら繰り返している本。 世界的ベストセラーの「サピエンス全史」は、おそらく読んで理解するのは難しそうだと思い、マンガで読んでみた。 納得する部分もあり、この本がフィクションだと思うこともあり。。。 マンガといっても、各章の最後にがっつり解説がついていて、それを読むだけでも大変だった。けっこう難しい。 他にも解説本がたくさん出ているということは、原書を読んでもわからないかもしれないと思い、と

          【in my book_#4】 (まんが)葉月 (監修)山形浩生 『まんがでわかる サピエンス全史の読み方』

          【in my book_#3】 ビートたけし 『弔辞』

          現在、40歳前後の人にとって「ビートたけし」とは、どんな存在だろう? 芸人、映画監督、芸術家、、、? 自分にとって、やはり一番印象深いのはTVで観る姿だ。 これは多くの人がそうだろうと思う。 しかし、ビートたけしの書籍、小説、絵本などがあることを知り、さらに読んだことがある人はどのくらいいるだろうか? 本読むきっかけは、昔、ドラマを観たことだった。 2000年頃に放送されていたドラマ「菊次郎とさき」。 これが、とてもおもしろかった。 バイトが終わって家に帰って

          【in my book_#3】 ビートたけし 『弔辞』

          【in my book_#2】 大野正人 『失敗図鑑』

          人生を生きるとは、つまりはこういうことだ。 あらためて、そんなことに気づかされる本。 登場するのは、誰もが知る人物ばかり。 ライト兄弟、ダリ、夏目漱石、ベートーヴェン。。。etc それぞれについて、3ページ程度にまとめられている。 最後のまとめの一文が秀逸で、自伝や伝記、研究本を読むよりも、心にスッっと入ってくるほどストレート。 本の帯には「10歳から読める(ふりがなつき)」とあるが、さすがに10歳では人生経験が少なすぎて、「よめる」けど「読めない」だろう。 現代は何

          【in my book_#2】 大野正人 『失敗図鑑』

          【in my book_#1】 町田康 『生の肯定』

          初夏のある日、帰省した時のこと。 実家の本棚には「町田康」の本がたくさんある。CDもある。 おそらく、全作品あると思う。 すべて弟が買い集めたものだ。 その中から、一冊だけ選んだ本が「生の肯定」 最初の1文だけ読んで、何となく決めた。 弟は町田康のファンだった。 何がいいのか?自分にはわからず、弟の生前はまったく読まなかった。 町田康のバンド「INU」の音楽も聴かなかった。 けれど、メディアにほとんど出ないであろう町田康がTV出演するニュースを知った弟は、柄にもなく、そ

          【in my book_#1】 町田康 『生の肯定』