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◢ 3 ◤AVICII - Waiting For Love 【歌詞和訳】


(1) はじめに

2018年に若干28歳という若さでこの世を去った、スウェーデン出身のDJ、音楽プロデューサー「Avicii(アヴィーチー)」
彼が残した音楽は、現在でも世界中のファンへ「今を生きる」というメッセージを伝え続けます。

前回の記事はこちら


(2) 曲紹介


今回ご紹介するのは
Waiting For Love

この曲は何度、歌詞を読んでも、どうもしっくりこない部分が多かったです。

歌詞カードやサイトを見てまわったのですが、なかなか納得できるものがありませんでした。

しかし、このPVをあらためて観ていると、ハッとしました。
そのあたりを中心にご紹介します。

この曲のテーマは

『愛を信じることは、自分を信じ、世界を信じること』

かと思います。
ちょっと宗教チックです。
たしかに、この曲にはキリスト教的な要素が含まれている気がします。
そこが、解釈しきれない部分だったのかもしれません。

PVを観ると歌詞の世界観が伝わってきます。

以下、歌詞です。(和訳 by nuri_T_Y)


Where there's a will, there's a way, kind of beautiful
And every night has it's day, so magical
And if there's love in this life, there's no obstacle
That can't be defeated

信念があれば、必ず道はひらかれる。そんな世界は美しい。
どんな夜にも朝が訪れる。まるで魔法のように。
この人生に愛があれば、邪魔するものは存在しない。
何も恐れる必要はないんだ。

For every tyrant a tear for the vulnerable
In every lost soul the bones of a miracle
For every dreamer a dream we're unstoppable
With something to believe in

どんなに強い人間にも、弱さがあり涙を流す。
失意の中にある老体だろうと、まだ奇跡を起こすことができる。
理想を求め、夢を追う人をもう誰にも止められない。
そうだと信じているから。

Monday left me broken
月曜日 ひとり残された私は自暴自棄になり
Tuesday I was through with hoping
火曜日 この世に期待することをやめた。
Wednesday my empty arms were open
水曜日 空っぽになった自分。何でも受け入れる覚悟で両手を広げている。
Thursday waiting for love, waiting for love
木曜日 私は愛する人を待っている。そう確信した。
Thank the stars it's Friday
金曜日 そう気づかせてくれた。幸運なことだ。
I’m burning like a fire gone wild on Saturday
土曜日 居ても立っても居られない。内なる炎が体を熱くする。
Guess I won't be coming to church on Sunday
日曜日 教会に行くことはないだろう

I’ll be waiting for love , Waiting for love to come around
(教会で祈るよりも)愛を信じている。愛を待ちわびている。

We are one of a kind irreplaceable
How did I get so blind and so cynical
If there's love in this life we're unstoppable
No we can't be defeated

僕らはお互いかけがえのない存在なんだ。
それなのに、私はいつのまに、こんな屈折した人間になってしまったんだろう。
大切なものを見失っていたんだ。
もし、この人生に愛があれば、邪魔するものは存在しない。
何も恐れる必要はないんだ。



(3) 解釈 - interpretation

この歌詞で一番解釈が難しいのは

In every lost soul the bones of a miracle
失意の中にある老体だろうと、まだ奇跡を起こすことができる。

でした。

これを直訳すると
「魂を失っても骨は奇跡のように残る」
「魂を失くした奇跡を起こせる体」
のようになってしまい、文脈が合いません。

歌詞カードにも同じようなことが書かれていて、ずっと意味不明でした。
しかし、PVを観た時に次のようなストーリー展開があり合点がいきました。

『長年、連れ添った老夫婦。奥さんを失くした、おじいさん。失意のあまり、自暴自棄になり、奥さんの面影を探し回る日々。そして老いていく体。昔の奥さんの写真を眺めては、何の希望も見出せない心境。しかし、ある時、それは愛を待っていることだと気づく。愛を求めていること、愛を信じていること、愛さえあれば他に何もいらない。服を着替えて、奥さんを探しに行こう。どこかに愛すべき魂があるはずだ。高齢者用のバギーに乗り街へ出る。故障してもあきらめない。バイク集団の先頭をきって走る。体は老いていても、愛は強いのだ。愛することは誰にとっても尊いのだ。だから、信じている。この世に愛があることを」

歌詞の中で、「日曜日は教会に行かない」とあるのは、それだけ強い意志を示していると思います。

「愛を待っている。愛を信じている」

Aviciiが伝えたかったのは、そういう普遍的な価値観だったのかもしれません。

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