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その⑳『レッキングクルー』

本作はマリオが解体屋となって、ビルの壁を破壊するアクションパズルゲームである。最終的に何を目指しているのかサッパリわからない主人公だが、まあ大目にみよう(キリがないから)。

本作は最初、アーケードゲームで発売されていたのを知っている。たしか2プレイヤーはルイージで、二人プレイで争うゲームであった。ファミコン版はルイージの代わりにブラッキーという、コンピュータが操るキャラクターが登場している。マリオが解体するビルは呪われているのか、ブラッキーだけでなくスパナの化け物「スパナゴン」やナスビの化け物「ナスビ仮面」まで登場、マリオの行く手を阻む。いやスパナゴンはともかく、「ナスビ仮面」ってなんだ? アーケードよりもパズル要素が強かったと記憶しているが、タイトル画面で一面ごとに面セレクトできるのが救い。けっこうスルメのように楽しめる佳作である。

さて筆者独特の思い出は、本作を購入した家電量販店にまつわるもの。中学一年生だった当時、新聞のチラシ広告にて新発売の本作が980円だという情報を入手したのである。開店セールの一環だというのだ。方向音痴の筆者がなんとか店舗にたどり着いたまではよかったものの、980円というのが勘違いであったことが判明した。もう少し高かったのだが、所持金がない。筆者は店員に泣きついた。

「あの……これが、980円だと思いこんでました。勘違いだったんですけど、お金がなくて……」

店員さんは開店セールで忙しかったこともあったのだろう、他の店員とも相談してこう言った。

「わかったよ、坊や。980円でいい。その代わり、またお店に来てくれよ」

筆者はうなずくと本作を入手、帰路に着いた。だがここからが方向音痴の真骨頂、それからその店にたどり着けたことが一度もなく、いまだに罪悪感に苛まれている。そんなわけで当時の店員さんがこの記事をご覧になっていたら、約40年前の小さなことだと思ってどうか水に流してください。いやー、本当に悪いことしたなあ。

私の拙い記事をご覧いただき、心より感謝申し上げます。コメントなどもいただけますと幸いです。これからも、さまざまな内容をアウトプットしてゆく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。