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その⑲『水戸黄門』

『水戸黄門』はサンソフトから発売されたアクションアドベンチャーゲームである。タイトル画面で黄門様一行が長ゼリフで「ひかえおろう!」としゃべる(なんと音声合成である)のが新しく、それだけで購入したといっても過言ではない。

考えてみれば「先の副将軍」と名乗っている時点で現役でも元将軍でもなんでもなく、印籠なんぞテキトーにこしらえたパチモノかもしれないのだが、なぜか悪役には効き目バツグンなのが滑稽である。せんだみつおさんが扮するキャラクターも操作可能だったと思うが、ドラマのほうではあっさりとリストラされたキャラだったなあ、残念。

本作における最大の敵は「時間制限」である。序盤はなんとかなるのだが、中盤以降は攻略手順を知らないと厳しい。運の要素も絡んでくる。楽しいゲームではあるので、救済措置さえあればもっと楽しめたのではないだろうか。

さて本作では、悪人をシバいて事件の手がかりを得なければならない。その際の悪人の見分け方がえげつなくて、なんと「見た目」である。いいのか?そして本作のパッケージ裏にはドラマ版二代目黄門さま、西村晃さんの推薦メッセージが。曰く「遊びながら物事の善悪を知っていただけければ」うんぬん。えーと、えーと、「人格の良し悪しを見た目で判断するゲームを遊びながら、知ることができる物事の善悪」ってなんだろう……。まだ中学に上がる前、思春期にさしかかった筆者の青春の苦悩を深めた一作なのであった。

私の拙い記事をご覧いただき、心より感謝申し上げます。コメントなどもいただけますと幸いです。これからも、さまざまな内容をアウトプットしてゆく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。