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その㉑『いっき』

『いっき』は1985年にサン電子より発売されたアクションゲームである。農民の「権べ」と「田吾」が悪代官を倒すために一揆を起こすというもので、二人同時プレイも楽しい。イラストレーターのみうらじゅん氏がこのゲームをもとに「クソゲー」という呼称を発明されたため、つまらないゲームだと思われがちであるがサクサクプレイできる良作と思う。事実、80万本売り上げているのだ。

最大二人の農民一揆で覆されてしまう統治とはどんなもんなんじゃい、と思わざるを得ない。案外、1970年代に挫折した学生運動の怨念が込められているかもしれないが、こういう怨念の晴らし方なら楽しいなあ。

とはいえ、権べと田吾が投げるカマは数が無制限なうえに軽くホーミングする。訓練を受けた(であろう)忍者たちをなぎ倒すさまは爽快だ。一番厄介な敵はこちらの動きを封じる腰元や、取ればパワーダウンする「竹やり」などのアイテムであろう。そこは普通にパワーアップさせろよ!!

このような楽しいゲームが現在に至るまで「クソゲー」の代名詞とされている要因は、前述のみうらじゅん氏の件に加えてもうひとつあると思う。それはパッケージだ。他の各メーカーはソフトの内容のショボさをゴマかそうとして、「面白そうなゲーム感」を演出した(外見だけでも)素敵なパッケージでソフトを売り出してきていた。だがこの『いっき』や同時期に発売された『ルート16ターボ』のパッケージのショボさときたら、店頭に買いに来たチビっ子の購買欲さえ削ぎかねないのでは? 当時本気でそう思ったものである。もう少しなんとかならなかったのかなあ??

とはいえ、現在でも続編が作られ遊ばれている本作。良作には間違いないので、ぜひ気軽に遊んでみてほしい。

私の拙い記事をご覧いただき、心より感謝申し上げます。コメントなどもいただけますと幸いです。これからも、さまざまな内容をアウトプットしてゆく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。