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"毎日2Lの水"は本当に必要か

皆さまこんにちは。
管理栄養士の水瀬あきです。

日本では梅雨が始まり、パッとしない天気が続いておりますね。上着が必要なほど寒い日もあれば、真夏日の如く暑くなる日もあるので、体調管理には気を付けたいところです。

さて、先日家人から「友人がむくみが酷いと言って白米を控えてるんだけど…」と相談を受けまして、『むくみ解消に白米……?』と思ったのが記憶に新しいので、今回は熱中症対策も兼ねつつ、美容関連でもとてもよく見かける項目"水分"についてぼちぼち書いてみようと思います。(この方の相談にはちゃんとお答えしております♪)

目次
1. 健康管理としての水分補給
2. 美容としての水分補給
3. 熱中症対策について



健康管理としての水分補給

水は毎日2L飲みましょう!という言葉。よく聞きますよね。これから書くことは個人的に思うことなので、取り組んでいる方をどうこう言うつもりで書くわけではないことだけ前置きをさせて頂きます。

まず2Lというのは、一日でのトータル、そして目安だと思って貰えば良いと思います。
「どういうこと?」「結局2L必要じゃん!」と思うかもしれませんが、この2Lの中には「食事から摂取出来る水分も含まれている」ということで、必ずしも2Lのペットボトルを用意して1日で飲み切らないといけないという話ではないよ、という事です。


本来1日に必要な水分量は以下の計算式で算出します。

尿量+不感蒸泄(+排便など)−代謝水

ですが、これは特殊な機械が無いと計算出来ないので(学生の頃やりましたが、本当に大変でした…)、基本は以下の計算で算出します。

年齢別の必要量(ml)×体重(kg)

22〜55歳までは35mlを代入して計算します。
例えば25歳、女性、体重50kg、身体活動レベルが普通の人であれば、
35ml×50kg=1750ml
ということになり、更に
食事からは約790mlの水分が摂れる計算となる為(1日の必要摂取カロリー×0.4)、1750ml−790ml=960mlとなり、必要な水分は960ml程度……という計算になります。

ただし、これはあくまでも数値上の話なので、その人のライフスタイルや季節、身体の特徴や病歴なども考慮すべきであり、一概にこれを守れば絶対的に大丈夫という訳ではありません。
一人ひとり性格が違うように、身体の特徴も人それぞれです。必要なものはそれぞれ違うのです。
そして、そういった悩みを解消する為に栄養士がいます^^

「水を飲むこと」は大切ですが、「1日2L飲むこと」に関して言えば、必要量は個人差があり、食事からの水分+αで良いよ、ということです。



美容としての水分補給

上記の内容を踏まえると、『美容の為には1日2L飲まなきゃいけないんだ……』と思い詰めなくても良いというのが分かって頂けるんじゃないかなぁと思います。"2L"に踊らされなくて良いのです。

水を飲みすぎるあまり、体内の電解質のバランスが崩れてむくんでしまったり、「飲まなきゃ」というストレスや、体調がパッとしない……となってしまうのは本末転倒です。
水分補給は大切ですが、「美容は健康が土台にあって成り立つもの」だと私は考えております。水分を取っているから綺麗になるのではなく、健康になるからこそ摂りたい要素の1つなのです。
そしてその健康には腸の働きが必要不可欠だと思っています。確かに水分は大部分が腸から吸収されていきますが、水分のみに固執せず、腸を労ってあげることも視野に入れて欲しいなぁと思います。

美容の為というよりも、健康的な肌や身体の為には適切な水分量を適切なタイミングで摂取していくことが必要ということですね。


熱中症対策について

さて、水分の大切さと適切な量についてはお話してきました。最後はその水分のお話と切り離せない、これからの季節の為のお話をしていきます。

今の日本の夏は昔の日本の夏と比べると気温が上がり、どんどん暑くなってきています。

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気象庁 日本の年平均気温偏差より


更に今年は、例年よりも早く梅雨が明けるのではないかと言われています。既にバラエティショップや家電量販店には熱中症対策の為のグッズや家電が並ぶようになりました。
まず熱中症対策では、熱をこもらせないことを考えてくださいね。


1. 風通しの良い服を着る
2. 家も同じく風通しを良くする
3. 扇風機やエアコンも活用
4. 帽子や日傘を使用
5. シャワーや熱中症対策アイテムなどで身体を冷やす

水分補給は勿論、こまめに行ってくださいね。一度に大量の水分を取ると、吸収できないどころか腎臓に負担をかけることになってしまいますので…
そして汗をかくとミネラルも同時に失われていくので、塩分の補給も忘れずに♪

暑さが本格化する前に早め早めに準備をしていけると良いですね^^




余談ですが、去年私の日傘に感動した家人が、あまりにも最近の夏が暑いので日傘を購入致しました。男性も日傘をさす文化が広がればいいなぁ。



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