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#41 『OKR』を読んでみて

こんにちは。なびです。

久しぶりの読書ログです。前回から3か月近く空いてしまいました。

ちょうど転職を挟みまして新天地で慣れるのに精一杯でなかなか記事を書く時間が確保できなかったのです。。(言い訳)
やはり新しい環境に慣れるというのは一定数の労力が必要ですね。まだ、慣れているとは言い難いですが、ようやく余裕が生まれつつある感じですね。そろそろ、本腰入れて読書ログを再開していこうと思います!

ちなみにですが、転職活動した冒険記はnoteにまとめています!こちらも良ければ読んでください!

さて、さっそく本題に入っていこうと思いますが、今回紹介する本はみなさんの会社でももしかしたら使われているかもしれない、あのフレームワークに関する内容の本です!


【読んだ本】『OKR(オーケーアール)』
【著者 / 訳者】クリスティーナ・ウォドキー / 二木 夢子 及川卓也
【発行所】日経BP
【初版】2018年3月15日

ーーなぜ読もうと思ったか

OKRというものをきちんと理解したかった、という一言に尽きます。なぜ理解したかったかというと、転職先がOKRを採用していたからです。入社直後は割と雰囲気でやり過ごしていたのですが、日々やQごとの行動の振り返りとしてOKRが重視されているということを知り、

あれ?これっていったい何だったっけ?ちゃんと知っておかないとマズいかもなあ。。。

と思い、本書を手に取ったという次第です。

今まではタイトル買いや、テーマが面白そうという雰囲気で買っていたのですが、今回は必要に迫られて読み始めました。あまり必要だと思って読むのは教科書で勉強しているようであまり好きではないのですが、まあたまにはこういうモチベで読み始めてもいいかなと騙し騙し読み進めていきました。

ーーどんなことが書いてある?

端的に言ってしまうと、「OKR」というフレームワークについて紹介している本です。タイトル通り。潔いですね。

と、雑に展開してしまうのは良くないですね。ちゃんと説明します。

本で書かれている内容は下記のとおりです。

OKRとは何か
OKRがもたらす効果
OKRの設定方法
OKRを組織に根付かせるノウハウ

ざっとこんな感じです。「OKR」に関するあらゆることを述べています。

さて、ここまでいろいろと書き綴ってきましたが、みなさん「OKR」というフレームワークはご存じですかね?

ご存じない方向けに説明すると、

OKRは「Objectives and Key Results」の略称で、
Objectives(目標)Key Results(主要な成果)によって、
高い目標を達成するための目標管理のフレームワークです。
引用元:https://www.ashita-team.com/jinji-online/management/4924

と表現されています。

もともとはIntelが考案したフレームワークで、GoogleやFacebookをはじめとする様々な企業が採用していることで注目されています。

目標管理のフレームワークということで、企業やチーム、個人が進むべき方針を立てるときや、Qや半期での振り返り時に使われたりします。

このようなOKRについて、より詳しい説明や実践的な内容など、本書で網羅的に説明されています。

また、本書は全体で2部構成になっています。

前半:シリコンバレーのスタートアップの物語
OKRを初めて導入する職場環境での葛藤や成功体験を物語調で説明。

後半:OKRの設定から実際に運用するにあたり参考となるノウハウを紹介
成功するためにはどうすべきか、よくある失敗例も紹介している。

前半でOKRの概要やその効果を小説を読むような感覚で理解し、後半ではより実践的な内容を学べるといった構成です。

OKR何それ美味しいの?状態でもきちんとした理解が得られると思います!今回の読書ログではOKRに関する詳しい説明は割愛します。興味がある方はぜひ、この本を手に取っていただければと思います!

ーー印象に残ったこと

これまで、OKRというものは漠然と、ほかの人の見よう見まねでやっていたのですが、この本を読むことでOKRに対する解像度がグッと良くなりました。

具体的には、OKRというものを運用するにあたり、何を重視すべきなのかというところをしっかりと理解できたことは大きかったです。

例えば、O(Objectives)とKR(Key Results)の設定方法はもちろんのこと、それぞれの意図は何なのか、ということがよく理解できました。

Objectivesは、成し遂げたいことと表現し、ワクワクでき心躍るものにする必要がある。
Key Resultsは、Objectivesを達成するために必要なKPIのようなもので、定量的、かつ達成可能が判別できる内容であるべきとあります。

OKRが他の目標管理フレームワークと異なるところとしては、Objectivesだと個人的に思いました。ワクワクを目標とするところが他にないものだと思います。本書でも、良いObjectivesの設定として下のように述べています。

朝ベッドから飛び起きてやる気が湧いてくれば、いいOを設定できているということだ。


加えて、Key Resultsについては定量的、かつ達成可能が判別できることと述べましたが、それに加えて、挑戦できる内容かどうかが重要になります。言い換えると、達成確率が50%くらいのものを設定するということです。めっちゃ頑張れば何とかできそう、というラインを求めます。

いやいや、目標なんだから達成しないとダメでしょ。という声が聞こえてきそうですが、OKRとしては達成確率50%水準のものがふさわしいとされています。ちょっと頑張れば簡単に達成できてしまうものはダメで、やる前から明らかに無謀でしょというのももちろんダメ。そのギリギリの塩梅をうまいこと設定したものが、良いKey Resultsということです。ただ単純なKPIとは少し毛色が違いそうですね。

ご想像のとおり、この塩梅が非常に難しくて、達成できなかったことに恐怖したり、逆に自分の能力を過信しすぎると適切なKey Resultsは設定できません。この辺は慣れていかないといけないところですね。。


もう一つ、印象に残ったこととしてはOKRをどう運用していくかというところが体系的にまとめられている点です。運用していくにあたり、OKRをしっかりと活かしていきたいのですが、よくある失敗例としてOKRを設定したものの結局は忘れ去られてしまうことが挙げられています。

そりゃ、OKRに限らず目標なんて忘れてはいけないもんだし、当たり前でしょ。まあその通りなのですが、OKRの場合は習慣化することを提案しています。

例えば、毎週月曜日にはチーム内でMTGを行いOKRの進捗を確認したり、優先事項や達成自信度を掲示することを推奨しています。加えて、金曜日はウィンセッションという枠組みを設け、チームで見せられるものをなんでも見せ合う成果発表会を行うということをします。

こうすることで、日々の習慣としてOKRを見つつ、自分自身や自チーム、他チーム、さらには会社全体がOKRに従って進んでいるという実感を週単位で確認することができます。ほかにも、皆で称賛したりお祝いするというようなシステムを作ることで、疲れていても脱線しないようにOKRに注力できるような地盤を整えるということも必要と述べられています。


最後に、OKRの本質というものについて、下記のフレーズが一番わかりやすかったので紹介します。

OKRはノルマを課すためではなく、自分が本当にできることを学ぶためにある。失敗は、高い目標に向かって挑戦しているというポジティブな指標だ。 OKRは、できるとわかっている以上のことを成し遂げる後押しをするために設計されている。"ムーンショット"を目指せば、たとえ月までたどりつけなくても、きっと壮大な眺めを楽しめる。

そうなんです。OKRとはノルマではなく、自分自身の学びが目的になっているのです。失敗はポジティブととらえ、極端な話OKRが達成できなくても構わない、むしろそれからどのように学んでいくのかが大事ということが書かれています。

これは正直目からウロコでした。多くの人は目標=ノルマと考えてしまいがちではないでしょうか。OKRではノルマではなく、OKRを通して挑戦機会や自己能力を高めていくことにフォーカスを当てている、というものなのです。だからこそ、達成確率が50%のラインにこだわり、称賛したりお祝いするというシステムが大事になってくるのか、と腑に落ちました。

ぬるま湯に浸かることなく、3か月単位での自分の挑戦をし続け、結果を出す。できたことやできなかったことを次のOKRに反映していき質の高い目標を設定する。という好サイクルを回し続けていくことがOKRを活かしていくことに繋がるのでしょう。


ーー本書を読んで

なぜ読もうと思ったのか、という項でも触れたように、本書を読むきっかけは必要に駆られて読み進めました。本書を読むことでOKRの理解が進み、結果として非常に良かったと思います。

冒頭で、OKRはGoogleやFacebookといった名だたる企業が採用していることで知られていると書きましたが、むしろスタートアップこそOKRを取り入れていくべきと感じました。(本書でも言っていますが、、)

なぜかと言うと、OKRの中の「Objectives」というのがまさに会社にあるミッションに直結できるからです。

特にスタートアップは現代社会に蔓延している様々な課題を解決するために結成されているはずで、そこに対してミッションを掲げ、それにコミットしなければならないでしょう。OKRはまさにそのミッションに対して突き進むために最適な設計となっているため、ミッションを達成することに集中できるようになります。

一方で、OKRがすべての企業に対して導入すべきかと言われるとそうでもないかもしれません。むしろ合わない会社のほうが多いかもしれません。本書の中でも、著者は「OKRははじめは必ず失敗する」と断言しているくらい導入は難しいと言います。なぜなら、企業の文化や目標に対する根本的な考え方をアップデートする必要があるからです。目標=ノルマという考えはもってのほかですし、会社全体、チーム、個人という単位でチャレンジを求められる環境、さらにはお互いの活動をシェアし称賛し合う文化、これらが求められるように感じました。Googleがやってる、導入すれば成功するなどという短絡的な理由でOKRを導入すれば痛い目に合うでしょう。


後から知ったのですが、今自分が勤めている会社はOKRを昔から採用しているようで、本書に書かれていた継続するためのTipsがほぼ実践されていたなあと感じました。なので、結果論ではありますが、本書で取り上げられているOKRを成功ノウハウは確かなものだと感じています。

実は、この記事を書いている最中、実際に個人のOKRを設定しようとしているところです。早速この本を参考にして質の高い、そして意味のあるOKRを設定しようと思います。


この読書ログを機に、OKRに対して興味を持っていただけたら幸いです。

いつも読んでくださりありがとうございます!!
それでは!!

TOP画像:Startaê Team on Unsplash

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