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〜覚醒遺伝子〜 めぐりあう鼓動

イラスト/refeia様(株式会社KADOKAWA 刊)
https://www.kadokawa.co.jp/product/201006000426/

2010年07月刊。覚醒遺伝子シリーズの2作目。
デビュー作『空を継ぐもの』の改稿がひと段落したと思ったら、編集氏から「発売前に2作目を仕上げましょう!」と言われた。いわく「続編を立て続けに刊行したい」という想いだったみたい。

兼業作家で筆も遅いことを理解したうえでの計画だったのかもしれない。それだけ買ってくれていたということだし、10年前では普通だったこんな判断も、昨今の状況では、まずありえないことだと思う……。

とはいえデビュー前の自分としては、デビュー作が世に出るのを先延ばしにされてしまったような気持ちになって、少々複雑でもあった。必死になって、ようやく山頂に辿り着いたと思ったら、まだ5合目だった、みたいな。

本作のアイデアそのものは、投稿時代から存在していた。細切れのシーン描写も形になっていたかもしれない。
これを『覚醒遺伝子シリーズ』という世界観のなかで見直すというプロセスを通じて、作り上げていった。

序盤における主人公とヒロイン千夏のやり取りについて、「好き」と言ってくださる読者様が一定数いて、ものすごく嬉しかった。『空を継ぐもの』では、そういう(ややコメディ色の)シーンは控え目だったので。

『空を継ぐもの』とはまた違った意味で、真っ直ぐな作品になったと思う。登場人物たちの素直さみたいなところが、そうさせているのかもしれない。千夏は典型的な「勝手に動いてくれる」キャラだった。
ツェツェとは正反対だ。

今回も、refeia様のキャラデザは最高だった。千夏は自分が想像していた彼女のイメージ以上に間違いなく千夏だったし、文中イラストの津原君華を見たときは、カッコよすぎて正直痺れた。

本作も章タイトルには思い入れがある。
目次を見返してみた。

好きなのは、
第一章、「朝、八時台の国道で」。
第二章、「巡る力は彼女を縛る」。
エピローグ「朝、九時台の国道を」。

章タイトルを見ていて思い出した。
本作の執筆中仮タイトルは『手のひらを太陽に』だった。
(あとがきにも書いていた)

もしそのままだったら、
『〜覚醒遺伝子〜 手のひらを太陽に』
・・・これはこれで?

『覚醒遺伝子シリーズ』とはいえ、ナンバーが振られているわけではない。
発売後しばらくは、「まさか2作目とは思わなかった」みたいな感想をよく頂いた。もちろん、単刊で読んで頂いても大丈夫なようにしてある。そこは編集氏も私も織り込み済みだった。

個人的な略称は『めぐこど』。

#小説 #本 #創作 #ライトノベル #電撃文庫 #覚醒遺伝子

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