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ジジババは何故、孫を欲しがるのだろう?

世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学

…読んだ。そして会社でやりたい放題でさっさと隠居した おおかみですら、資本主義にズブズブに浸かっていることを痛感した

おおかみの頭脳では、最後まで読み切るのにかなりの体力を要した。なかなかの強敵

ただ後半は解説/説明的な章が続くので、前半だけでもしっかり読んで、感覚的につかめれば、目から鱗でもコンタクトレンズでも落ちること間違いなしだ

なんなら、filerに要約があるから、そちらの無料部分を読むだけでも雰囲気は分かる


おおかみの思考回路は”交換”に毒されてる

これあげるから、あれちょうだい
これしてあげるから、あれやって ってやつだ

これに対して、”贈与”は相手にその場で気づかれてはいけない
与えた相手に、その場で悟られてしまっては”贈与”にならない
時を超えて、相手に受け取ってもらって初めて”贈与”は完了する


「親の心、子知らず」ってのは、ある意味で贈与のことを上手く言っているもんだなと思う

親の心は、その場で子に知られたら”贈与”にならないのだ
子が親になって初めて親の心に気づき、”贈与”を受け取ることで、初めて贈与は完了する

そんな贈与の話の1つとして、「どうして孫を欲しがるのか?」という話が書かれている

”贈与”は受け取りっぱなしでは気持ちが悪い
けれど、相手に返してしまってはそれは”贈与”にならない
そもそも、時を経て受け取っているんだから、返す相手がいるとも限らない

孫の話では、子は”贈与”を受け取ったならば、どこかに返さずには気持ちが悪い
でも、返す相手は親ではない。親に返したら”交換”だ

自身の子をもうけて、その子に対して、親から受け取った”贈与”を返すのだ

それを見てジジババは、自身が贈った”贈与”を、子が受け取ったことを確認し、安心する
だから、ジジババは孫の顔を見たいのだ

…という例だったと思う
(図書館に本を返しちまった…間違ってたらスマン)


確かに子が孫をもうければ、子は親の気持ちに気づくところは多くあるだろう
けれど、おおかみ的には子に親の気持ちを分かってもらうと嬉しいということは無い

ただ、親の気持ちが分かることで、人生は豊かになるとは感じてる
子が豊かになるという視点から、子が孫をもうけることは嬉しいことだ

なので、子をもうけることは、”ゆるく”おススメする
自分にとって良かったから、他人にとって良いとは限らない


…と、本を読んで理屈っぽく考えてしまったのだが💦

孫に関してはそんな難しいこと考えなくとも、本能のままに喜べばよいよね
何で嬉しいの?と言われると、確かに答えに窮するけど

答えに窮するけど、常に答えを求めることが幸せにつながるとは限らない
分かんなくても、何か幸せなら、まあ、そういうのもいいんじゃない?


と、孫の例だけ引っかかっていろいろ書いてるけど、会社生活30ン年でおおかみに染みついた”常識”を覆してくれた本であることは間違いない

読んで損はない1冊だと思います♬

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