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もなかの付加価値【空也】

実はまだ自分で買ったことがない。たまに実家に帰ると遭遇する、もなか。こうすると日持ちするからと、一つ一つラップに巻かれ繭の様な姿を私は軽視していた。それは大変恥ずべき行為だった。

その日の実家は賑やかで、いとこ夫婦とその子供姉妹が遊びにきていた。

例のごとくラップに巻かれた、もなかが登場した。子供は最初こそ警戒したが、ラップから取り出した姿を見たら安心し口へ運んだ。

9歳の姉が食べ終わった後、「すごく美味しかった」と静かな声で言った。

この子の舌は信用できる。なにせ、成城石井に売っている生八ツ橋の皮が好きだという、ニッキの良さもわかる舌なのだから。

私が食べたのは、その後だ。

あんこはもしかしたら甘めなのかもしれない。それは皮と一緒に食べると丁度良い甘さに仕上げているから。粒を少し残したこしあんは重くない。好き。

指でつまむのにちょうどいい大きさ、フォルム、空也の焼印。それは銀座で生み出された素晴らしいプロダクトです。

母の話によると、近所の人が何かのお礼の時にいつも買ってきてくれるらしい。勤務先に近いのだと思うけれど、予約しないとほとんど手に入らないって、お母さん知ってる?

予約しないと買えないお土産を頂く→ラップに包んで美味しさを維持→おいしいの感嘆。

空也のもなかは、作る人、買う人、もらって保存しといてくれる人の手間がかかっていて、人の心意気を感じた。

本当の付加価値とは何かをわからせてくれる、愛すべきもなか。

住所:東京都中央区銀座6-7-19
電話:03-3571-3304
定休日: 日曜・祝日
営業時間: [月~金] 10:00~17:00 [土] 10:00~16:00
食べログ:空也
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