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「アンソロジー 嘘と約束」アミの会(仮)

アンソロジーにハマった時期があった。
きっかけは北村薫と宮部みゆきが選んだ「とっておき名短編」という本だった。
文章の雰囲気もストーリー展開も違う作品を、一冊で複数読めるというお得なもの。
それから日本推理作家協会”編”のアンソロジーなどを読みまくった。
アンソロジーを読むと嬉しいのは、面白い作家に出会えるということだ。
たまたま読んだアンソロジーで、たまたま自分の趣味に合う作家に出会う。
そこから長編へと読書の手が伸びていき、今度は名作長編に出会う。
好きな作家がまた増える。

今回の本は図書館で発見した。
なんとも興味深いタイトルではないか、「嘘と約束」
誠実なのか不誠実なのかどっちやねんと、相反する2つがまるで塩と砂糖のようにあまじょっぱい面白さを作り出すのであろう、と想像できる。
久しぶりに帰り道を急いだよ。

本作は「アミの会(仮)」という女性作家グループの作品。
女性作家たちが女子会をしながらついでにアンソロジーを出してしまえ、ということらしい。
なかなか素敵な催しではないか。

アンソロジーというのは、自分が思っているのとは違う作品に出会うのが醍醐味なので、内容については詳しく言わない。
ただ、どれも良かった。

まるでクリスマスにスーパーで売られている、長靴に入ったお菓子の詰め合わせのよう。
売り場で見ればわくわくし、買ってもらって小躍りし、どれを食べようか悩み、どれを食べても美味しくて、そして無くなるのがおしい。
子供のように目を輝かせて読むべし。


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