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「蒼き影のリリス」菊地秀行

菊地秀行の紹介が多いね。
たしかに大学生時代、はまりにはまってたわ。
なんだかんだ全部面白いんだよね、この人の作品。
まだまだ紹介したい作品がたくさんある。
ただ、初期のエロ小説は除く。

本作は菊地秀行の本領発揮、吸血鬼もの。

大学生で何でも屋みたいなことをやっている主人公「秋月」、彼が美女達の背骨が木に変わる!?という謎の事件にかかわるという話。
事件の謎を追う中で出会ったのが、ある西洋料理店のオーナーである「リリス」という盲目の美青年、そして青銅で出来ているバイオリン弾きとレストランの支配人(だったはず)の老人の3人。

この秋月は実は吸血鬼、リリスには同族のような匂いを感じるが、どうも違う気がする。
果たして今回の事件にどう絡んでいるのか、、敵か味方か。
そしてこの事件自体も、吸血鬼ら人外のものがからむ事件なのだ。

リリスというキャラたっている謎の存在が物語をひっぱっていくと思いきや、ちょっと違う。
この物語の肝は秋月のキャラクター設定だと思っている。

実はこの秋月、吸血鬼の中でもかなりの古参で年期がはいっている。
古参すぎるゆえ、もう過去の記憶があいまいなのだ。
で、事件にかかわる活動の中でひょんなことから過去の記憶がよみがえる。
そのよみがえる記憶のエピソードが凄すぎる。

例えば、前述した支配人の老人が、事件について考え込む秋月の様子を見てはっとする。
「その仕草、自分が若いころに見たことがあります。ベーカー街の221のBで」とか言う。
秋月はかつてイギリスで知り合った友人が、その仕草かっこいいねとマネするようになったんだと思い出す。
そう、その友人はシャーロック・ホームズだ笑

他にも、エジプトのピラミッドは墓じゃねぇと。
かつてピラミッドが出来た当初、秋月は吸血鬼2大勢力の間に立ち、調停を結ばせたとか。

吸血鬼業界ではかなりすごい人のくせして、だいぶ忘れているという。。

超人であるリリスが物語の核ではあるのだが、秋月がそれを凌駕するかっこよさで、主人公として輝いている。
まじかっこよいのだ。

シリーズもの。
このリリス一派と秋月の様々な冒険が楽しめる。

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