男の子ならみんな好き。
格闘系漫画。
完結１８巻。

漫画の世界ではバトルものが人気、ドラゴンボール、幽遊白書などなど名作も多い。
そんなバトルものの中で、少しだけ現実に寄せているのが格闘ものというジャンルだと思う。

「グラップラー刃牙」とかは、格闘ものだがちょっとフィクションより、「はじめの一歩」はリアルより、などなど。
現実にもこんなすごい達人やすご技が本当にあったら面白いだろうな、と空想を掻き立てられる”フィクションより作品”も面白いし、自分も努力次第で主人公のように強くなれるかも？と希望を見せてくれる”リアルより作品”も素敵、どちらも好きだ。

本作はリアルよりの作品。
途中で作者による格闘技の解説なんか出てきて、自分も練習すれば出来るんじゃないかと思わせるところだったり、あくまで路上格闘をテーマにしているので、普段の生活で喧嘩に巻き込まれた時に使えるんじゃないか？なんて思ったりして楽しい。
そんな男の子のポイントをついてくる漫画なのだ。

でもそんな作品なら山ほどあると思う。
この作品はいわゆるクラスで主役ではない少年を主人公にし、彼を不良たちと対峙させることで、少年達の世界（闇）をリアルに描いているところが、紹介したい名作となってるとこだと思っている。
その少年達の世界を”聖地”つまり”ホーリーランド”と呼ぶのだ。
大人の甘さと少年の苛烈さの同居する場所。

あらすじ。
中学生の時いじめを受けて不登校になった主人公。
彼は自殺を試みるが実行に移せないで泣き崩れる。
そんなある日、本屋でよく殴られるが殴るとはどういうことだろう？と、ボクシングの本を読む。
そして何気なしに家でジャブを打つ、夢中になって打つ、頭が真っ白に体が熱くなっても打つ、何万回も打つ。
自分をまっさらにしてくれるその行動にはまり、いつしかジャブとストレートが打てるようになる。

そんな彼が夜の街で不良に絡まれた時に、はじめて実践でジャブとストレートを使い戦い、勝利する。
死を望むまで追い込まれた自分が得た武器に、苦悩し振り回され、でも頼りながら、いつしか”ヤンキー狩り”と呼ばれるようになる。

そんな彼が、友を得、先輩を得、その武器を磨き上げながらも、世界で生きていく他の武器も獲得していく、という青春ストーリーなのだ。

青春ものに格闘の知識が乗っかる。
２つの味を楽しめる作品だと思う。

この主人公、他の登場人物にも言われるんだけど、よく泣くんだよ。
でもさ、泣かないで分かった風な顔してすましているガキより、敏感な心をさらして泣きながら強くなる方がいいよね。

もっと評価されていい作品！！

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