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「サンクチュアリ-聖域-」(Netflix)

さして相撲が好きでもない私、それでも楽しくて好きだった映画が「シコふんじゃった。(1992)」。
大学相撲における青春モノという位置付けで、気楽に見られる周防正行監督の名作だと思う。
そんなライトな感覚を根底から覆した、名実共に重量感溢れまくりな作品が「サンクチュアリ〜聖域〜」だった。

ネタバレは絶対避けたいので、差し障りのないギリギリの感想でまとめたい。

フィクションなのにリアリティありまくり。相撲の世界だけでなく、家族愛、人情、そしてサスペンスまでてんこ盛り。
主演は誰コレ?でも、要所要所に芸達者なクセモノ俳優をキャスティング。
どギツくアクの強い描写はNetflixだからこそ、の納得感。
どんなお話なのかな?と恐る恐る見始めたのに、結局8話=約7時間イッキ見してしまうほどの面白さだった。

物語は、パターンでいえば「主人公の成長譚」。他の登場人物も個性的というか、"どうしようもなさ"に溢れているが、そこに諸々の事情が絡みつき、破綻なく突き進むのがとても痛快。

最後に、キャスティングの素晴らしさをまとめておこう。

①おかえりなさいのピエール瀧、淡々としているのに存在感が凄いことに感服。

②余貴美子の吹っ切れ方はとにかく衝撃。
美人マダムのイメージ崩壊。
この役は室井滋でも良いかとも思ったが、いつもエレガントな余さんだからこそ、その落差に圧倒された。

③笹野隆史は出てくるだけで怖い。
絶対キーパーソンやね、と思わせる雰囲気。
笑顔=むしろ怪しい、まさに怪優。

④ムツゴイ男優の毒を消す女優陣
・訳あり記者から成長する知性派忽那汐里
・対照的にやたらオッパイな寺本莉緒
・子を思うゆえの親バカママ仙道敦子
・力士たちを慈悲深く見守る小雪

⑤メインじゃないのに光る方々
・あの身体で相撲やるの?染谷将太
・出てくるだけで胡散臭い 毎熊克哉
・元力士だったのね猿谷役= 澤田賢澄

視聴しながら四股を踏んでみたが、なかなか楽しい。コレからも1日数回は四股を踏もうと思う。

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