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同じ階級で会いましょう②

待ち合わせ場所に着くと、見覚えのあるスーツ姿の男性が立ってこちらに手を振っている。

私もその日はスーツだったので、仕事帰りに
男女で会うなんて、なんだか大人になったなぁ…
とニヤニヤしてしまう。
相席ラウンジの時点で、少し美化してたのでは
という不安は会った瞬間に消えた。

予約していた1軒目のお店は、大衆系居酒屋で、
ビール党な2人は、お酒も会話も進んだ。
とっても楽しかったし、雰囲気も良かった。

やっぱりこの人、ドストライク!

…が、しかし、私は今大殺界にいるらしい。
そうは上手くいかない。


お互いの過去の恋愛の話になり、
彼が気まずそうに口を開く。
「この前会った時、
 隠してたわけじゃないんだけどさ…」

えーーーーーー何?
何なにナニ?!?!?!?!
実は彼女いるんだよね?とか??えっ何??
な、なんですか…??

「俺、バツ1なんだよね。」

言われた瞬間は、なーんだそんなことか。
と思った。
で、次の瞬間に、むむむ?

24歳社会人2年目なひよっこの周りは、
結婚をした同級生はまだ少数派。
ましてや、離婚経験のある人はいない。
離婚というものはドラマや映画、
小説などでしか知らない世界だった。

「全然気にしませんよ!むしろ、本当のこと、
 言ってくれてありがとうございます。」

うん、ここまでは本心。

「でも…」その続きは言葉にはしなかった。

それから、別に気まずくなることもなく、
飲み足りずに2軒目まで行って、解散した。

さて、私はこの方と恋愛に発展するのだろうか?

まだ会って2回目だが、感触はよかったと思う。
解散した後にも「また飲みに行こう!」と
社交辞令かもしれないけど、LINEが来たし。
でも、心の中で、
離婚経験がある、ということが、
どうにもこうにも引っかかる。

恋愛に発展するのか?
私は、恋愛に発展させたいのか?
いや、恋愛に発展できるのか?

3組に1組が離婚すると言われている
この現代社会において、わりとフレキシブルな
私がここまで気にするとは思わなかった。

でもそれは、私が24歳未婚の女だからだ。

プロポーズはこんなのが理想だなぁ〜
結婚式はどこどこでしたいなぁ〜
ウエディングドレスはこんなのがいいなぁ〜
え〜その前に彼氏作れぇ〜??
はぁ〜うるさ〜〜い!

なーんて、結婚すら全くリアルに考えてない。 

そんな階級にいる私が、
もう一通りのそれを終えた階級にいる人と、
対等に向かい合うことができるとは思えない。

人間の経験値的なもので分かれる、
階級のようなものが、やはり人にはあると思う。

それが合わないと何がいけないのか、
私にはまだわからないけれども、
なんとなく、さまざまな経験がある人との
階級が、違うふうに感じた。

ーーー

階級は、上がいいとか、
下がダメとかではなく、物の例えとして。
離婚経験も、リアルに感じられていないだけで、
私は自分が恋愛するかどうかの軸で考えた時に
こう思ってしまっただけだけど。

叔母さん私は今、
大殺界にいると思えたらどんなに楽でしょうか。
それを抜けたら結婚できるでしょうか。

あ、そういえば、私の叔母さんはバツ1でした。

大人の階段を登りながら、
24歳のシンデレラは今日も遊びに出掛けます。

素敵な人がガラスの靴を拾ってくれますように。

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