夏の子
天使の輪くっつけ転げていれたのは男も女もなかった季節
一列のレースが胸にあるだけでスキップできた泥濘の道
ゴムのない麦藁帽子を手に入れて飛ばさぬように静々歩く
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オイルやトリートメントの力も借りずとも当然のように頭に天使の輪っかが乗っかってた頃。
田んぼや原っぱで男も女も歳の差もなく混ぜこぜで当たり前のように遊んでた。
暑くなってくると、ペラペラのノースリーブのワンピースにテカテカ光るサンダルで。
ワンピースにお情け程度のレース、サンダルにビニールの花一輪ついてるだけで、オシャレしてる気になれた。
赤白帽や登校用の黄色い帽子じゃなくて、花飾りのついた顎にゴムがない麦藁帽子。それだけでお姉さんになった気がした。
…半世紀以上も前の話。
あまりにも今の子どもたちと違いすぎるけど、変わったのは子どもじゃないよね。たぶん。
そんなことを考える夏日の午後。
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