彼氏がうつ。それを支える彼女の話。2

「さみしかったよ」
私が家に入ると、彼は言った。
何にも話してもらえない私の方がさみしい。
そう思った。

その日は、掘り下げることなく
お大事にと、帰った。

彼の調子はずっと良くならないまま日が経っていった。

彼は見当がついているのか
そのうち良くなるから大丈夫
下がるところまで下がったら上がってくるから
いつもそうだから…

そんな言葉を鵜呑みにした私は
彼のことを、ただ見てるだけ
何にもできなかった

2週間が経過して
看護師であり、かつ緩和ケアの認定看護師である私は
この人は、鬱だよな…
そう思った

病院に行かない?
そう聞いてみるが

そんなの行ってどうなる
俺の心のことなんて誰かが治せるわけがない
俺自身の問題だから
何にもしないで欲しい

と言うのであった。

仕事に行けなくなって
ご飯も食べれず
睡眠も取れない
そんな状態を2週間も放っておけるか!
(直接言えなかったのだが…)

何にも上手くいかなく、途方にくれた。

そんな日が続いていった。

私は引っ越しをしようと思っていたので、物件を見に出かけていた。

「もう、別れてほしい。俺には幸せにしてあげることができない。許して…。お願い。」

そう言って、彼は電話を切った。

私は、居ても立っても居られなく
彼の家に向かった。

これから行くから、と彼に伝えると
「もう、会えない。ごめんね。ゆるして。」

そう言われた。

私は、彼が自殺してしまうのではないか…
と気が気でなかった。

彼の住んでる駅に着いて
彼に連絡をすると

「来ないで。今友達に会いに来てる。もう会うことないと思うから。」

そう言った。
あぁ、死ぬ気なのかな…。
どうしたらいいのかわからなかった。
とりあえず、彼の用事を待ち、彼と会えるのを待った。

彼に会い、家で話した。

この人は、私と別れて死ぬ気だ…
そう思った

そして、彼は
「もう、好きじゃない。なんの感情もない。だから別れてほしい。こんなの意味ないでしょ。」

私が何を言っても無駄で
彼に感情がないなら無理か…
しかし、死ぬのは阻止しないと
と思った

とにかく、この状態を知ってるのは彼女である私しかいなくて
家族は遠方にいる

唯一、ルームシェアしている中学からの友達がいるのだが彼は絶対に言うな!の一点張りだった。
ずっと状況は言えていない。

もう、好きじゃない。
と言われた私は、好きでもないのに一緒にいてもらうのは違うと思うから、別れ話を飲むしかないと自分の心を納得させ、別れることを了承した。

もう近くにいられないから
私には阻止できない、彼の自殺を。

以前何かあったら、連絡してと言われて教えてもらった家族の連絡先がある。

その中で私が選んだのは
彼の住むところから1時間ほどの距離に住む長女。
連絡した。

「はじめまして。お付き合いさせていただいてる真子です。このところ隼人くんの具合が悪くて、仕事にも行けてないです。ここ最近は、死にたい、死なせてほしいなどと言っています。私はもう、好きじゃないと振られてしまいましたのでお力になってくれませんか。」

と言った内容を伝えたと思う。

私は振られて、泣きながら帰路についた。

#恋愛 #恋愛日記 #壮絶 #死にたい #うつ #別れ

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