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大和歌

なにたてまつらむうた

うめかほり いにしへとへど いこたへず
    うつらふよにて かはらぬおもひ

つゆあれて はかなくきえむ あがこひは
    かつてやまず けにあふるるか

ひさかたの つきにはえたる あがおもひ
    なにあはむにや いかほどのときを

はなぐはし さくらのはなぞ ちりぬるや
    いましとのとき うつらふとゝもに

はるさめの ふりたるさよに なわすれめども
    あふるゝおもひ やまざるか

あがこゝろ

ひさかたの かきたれあめぞ ふれるをり
    よろこびかくし うれへほびこる

はなぐはし さくらちりぬる はなあらし
    あがうれへにや ちりずありける

ひさかたの あまにつむがゆる えにしこそ
    わびしくあるは よにならなくに


一言メモ

これら8つの和歌は全て高校時代に制作したもので、作品集「花の溢るる森」に収録したものです。全て抒情的な内容になっており、先日の叙景的な句集とは対照性をなしていることが分かるかと思います。そこで、敢えて漢字仮名まじり文にせず、仮名のみの表現にしています。尤も、文全体を上代(国文学の区分で、主に奈良時代に当たります)の雰囲気にしていることから、仮名でも表現し尽くせるのではないかという実験的な意図も込めています。今回の作品から、皆さんは何を感じるでしょうか。

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