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「とりあえずビール」を卒業したい

僕はビールが好きだ。

ベトナムでももっぱらビールを飲む。

ベトナムのビールは安い。外で飲んでも330ml瓶で80円~100円程度だ。

僕はビールが好きだ。

ベトナムでいつもいっている居酒屋で言葉は通じなくても僕が座ればビールが出てくる。体調が悪くて4本しかのめなくて、「帰る」と店員に言うと、「10本まであと6本ある」とベトナム語でまくしたてられるほどビール党だ。

計算してみると怖い。10本飲んだら3リッター飲んでいる。3リッターオーバー。車で言うとまぁまぁな高級車だ。

僕はアルコール全般好きで、気分によってスパークリングワインや時にはシャンパーニュを呑む場合もある。

日本酒も好きだ。

焼酎も嫌いではないが焼酎より日本酒を飲む場合がほとんどだ。

酎ハイ(関東ではサワー)も好きだ。

ワインも好きだが、銘柄は覚えられないし、高いワインを好んで飲む方ではない。

ウィスキーも好きだ。

ラムも好きだ。

カクテルもそれなりに好きだ。19のころ、はじめてバーで頼んだのはウォッカのドライマティーニだ。しかも、ステアではくシェイクで頼んだ。なんていけ好かない小僧だと今更ながら思う。友人のバーテンダーは「ボンドね」といって笑ってシャイカーを振ってくれた。

ウォッカをロックで飲んだりするのも好きだ。

中華料理を食べていると無性に紹興酒が飲みたくなる。

先日、ベトナムでおいそれと口には出せない食材を食した時は、その食材に無性に合うベトナム焼酎(バナナの葉を漬け込んだ焼酎らしい)をショットグラスでカパカパとやった。ビール好きのベトナムの人もその料理を食べるときは焼酎らしい。

さて、話がすこしそれました(そらしたのは僕です)。

大体、最初はビールで、「とりあえずビール」ということに対して最近僕は思うことがある。

ビールは比較的どんな料理にも合うし、ビールだけでも飲める。それがビールが愛飲されている理由なのだと僕は思う。ビールが市場をシェアしているのは比較的どんな料理にもあうということだ。

ビールに合うつまみというと、枝前、から揚げ、フライドポテト、焼肉、餃子、串カツ、ソーセージなど言い出したらきりがない。

日本に帰ったら「ミュンヘン」に行って名物のから揚げとビールを食し、神戸の有名餃子店である、「赤萬」ひょうたん」などを数軒はしごしてビールを飲み、「もっこす」か「しぇからしか」でラーメンを食べて〆ようと今からすでに考えている。(神戸、どローカルですみません)

しかしなんです。

しかし、日本酒党の僕からしたら、焼肉も、餃子もから揚げも、別にビールじゃなくてもいいんです。焼肉も餃子もから揚げも実はビールより日本酒の方が美味しく感じられるのです。「酒が」じゃなく、「料理が」です。

刺身だって別にビールで問題ないです。美味しいです。でも、日本酒の方が美味しい。魚の旨味がよくわかる。魚の旨味を受け止め、より芳醇にしてくれる。

冷奴だって別にビールでもいいんです。でも、日本酒でやった方がより豆腐の美味しさが際立つんです。

ケーキだって別にビールでもいいんです(たぶん、これは僕だけ)。

昔愚妹の友達が実家に泊まりに来て、お土産のケーキをビールで食べてて気持ち悪がられた経験があります。

皆様、ケーキにビールって「こいつ頭狂ってんのか?」とお思いでしょう。そうなんです、ビール好きになるとなんでもビールで行けちゃうんです。でも、ケーキには紅茶やコーヒーですよね。その方がケーキにはあいます。

ケーキにアルコールというと、濃厚なチョコレートケーキにウィスキーやブランデー、黒ビール等なら合わせられる可能性はあります。

しかし、普通のケーキに普通のビールは、まぁ合いません。

ここで、ケーキにビールの例を恥を忍んで出したのは、凡庸性の高いビールでも料理の中で合わないものがあるし、実はビールのつまみと言われている料理でもビール以上に合うアルコールがあるということなんです。

ビールに合うつまみというと、それはビール主体の考え方です。ビールがおいしく飲めたらいいのです。

でも少し疑問に思ったわけです。「ビールを飲むことによってその料理あるいは素材を引き立たせるものっていったい何だろう?」と。

「惰性で『とりあえずビールで』と飲み続けることは料理に対して失礼なのではないだろうか?」と。

「料理と酒の『マリアージュ』あるいは『ペアリング』とよくいうが、ビールにとってのそれとは一体何なんだろう?」と

美形の男子高校生が「お前もてるのになんで特定の女子とつきあわないの?」と聞かれて「俺は誰とでもある程度うまくやれる自信がある。でも、そうじゃなくて、本当に自分が一生かけて付き合える人を探したいんだ」と屋上で遠くを見つめながら言う、少女マンガ的な感じですね。

先日作った、ビール煮。もちろん、調理に使ったビールと同じビールを食中に飲んでいて、十分おいしかったのですが、「これにはワインの方があうんじゃないかな?」という疑問も頭の片隅に起こったわけです。

ビールを飲むことによってより味が深く、キレが出て、豊潤さを出す料理。それは一体何なのか?

それを今後「ラボ」と証して一生かけてさがしたいんだ(屋上で遠くを見ながら・・・・)。


と、ビールを飲みながらしたためました。




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