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時代の読み方と身の置き方、ポジショニング感覚の大切さ

良いデザインは売れないとか、自分の作品の良さが全然理解してもらえないと言う人をたまに見かける。本当にそうなのだろうか?

僕は、デザインに限らず仕事の中で大事な要素はポジショニングだと思っている。

ブランディング+ポジショニングの2つがめっちゃ大事な大きな軸であり、デザインはそれらを支える1要素にすぎない。

ここら辺の話をすると、デザイン原理主義の方々には実利主義だとか守銭奴感覚とか言われちゃいそうだけれど、アカデミックな自己陶酔では腹は膨れないし自分も家族も養えない。

貧すれば鈍す。

貧しさや生活苦は目先の金に目を向けるし、才気や高潔さが失われやすくなる。この場合の貧しさとは経済的なお金のなさもだが、発想や機転や知識の貧弱さも貧しさだろう。

今日の話は、以下の竹鼻さんとの会話がきっかけで考えたことだ。

ほとんどコレで要約できちゃっているんだけど、noteでちゃんと書くと言っちゃったのでもう少し補足しておく。


どうすれば売れるのか?

これについては「時と場合と人による」という身もふたもない事実があるので、アドバイスや普遍的回答なんていう便利なものは存在しない。

ここら辺はもう言い尽くされている事だし、現在も手を替え品を替えマーケティング理論として研究されているので、お好きな方はそっちをちゃんと調べて勉強して欲しい。

でもそういうのめんどい、パッとわかりたい人=楽をしたい人が多いだろうから、触りだけ話そう。単純な話に置き換えればいい。

いつ
どこで
誰に、誰と
何を
なぜ?
どうやって?

5W1H。これを突き詰めて考えるだけだ。つまるところは、これがマーケットとの付き合い方であり、ごちゃごちゃと専門用語っぽい言葉を並べたところで事実はシンプルだ。

もう少し深堀してみよう。

「いつ」という軸を見た場合に、縦軸としてのなが〜い歴史の生先端としての現在という位置付けと、横軸としての広〜い同じ時代の中での今この時という位置付けがある。

これを踏まえて「いつ」→「どこで」を考えるのがポジショニングだ。


歴史の文脈+現代の同時代性を考える

もう気づいたと思うけれど、5W1Hを順番に考えるとした場合、何を売るかよりも「いつ」「どこで」が先に詰めるべき場所だ。

だいたいみんな、売りたいものを先に考えすぎだ。商品を先に作ってから、じゃあどこで売ろうか?となり、無理やりひねり出して押し付けて物が売れないと嘆いている。

まず学ぶべきは「いつ」売るのかであり、必然的に自分のいる業界含めて隣三件くらいの近しい業界の歴史は学ばなければならない。

だいたい歴史は繰り返しているし、人類はぐるぐる螺旋上に文化を進化させてきたから、10-15年くらいのスパンで短く似た位置を通りつつ、引いてみると100-200年とかのウネウネした流れがある。

ここら辺が上手いのは現代アート系のアーティストだと思う。彼らは歴史の文脈の中に自分自身の価値を創出していることが多い。

たまに完全に天才肌の何も考えていないのにすごいことやっている人もいるけれど、成功し続けているアーティストは勤勉でしたたかな人が多い印象だ。

だから、現代アートを見ると歴史と価値観の変遷の先端に触れられる。これはデザイナーやクリエーターにとって刺激になるし、ネタの宝庫でもある。

いずれデザイナーのための現代アート観賞のススメを書くつもりだけれど、現代アートこそ最先端のクリエイティブ・マーケティングだと言えるだろう。


ポジショニングとは出口戦略

ポジショニングというのは出口戦略だ。がむしゃらにやり込んだり、一発芸や自身の成功パターンをセルフコピーし続けても、いずれは消耗してしまう。

冒頭の「いいデザインは売れない」とか「自分の作品や作風は世の中に理解されない」とか言っている場合は、だいたいのパターンで見せる場所=売る場所を間違っていることが多い。

どうやって作る? ←技術、テクノロジーの話

なぜ作る? ←アイデンティティの話

何を作る? ←成果物や実績の話

誰に作る?誰と作る? ←ターゲットとパートナーの話

どこで作る? ←マーケットとポジショニングの話

いつ作る? ←コンテキスト=歴史と文脈の話


5W1Hの順序を逆にしてみた。上の方から始めるパターンが多いけれど、同時に下の方も考えたほうがいい。みんな上の3つの技術とアイデンティティと成果物そのものにとらわれ過ぎだ。

まぁ、えてしてここら辺の話って、自分自身では見えないことが多い。だからコンサルっていう職業とか、カウンセラーっていう仕事が成り立つ。

でも個人の、かつ駆け出しのクリエーターにはそんなん雇う余裕はない。そうして消耗して挫折して消えて行く。

売り方さえ合っていれば食っていけるレベルのクリエーターはたくさんいるように見えるのだけれど、みんなで魚のいない水槽に釣り糸ぶら下げて釣れないってブツブツ言っている。違う、そこじゃない。

僕はこうした不幸な現状が、ちょっとでも良くなればいいと思っている。絵じゃ食えない、デザイナーは儲からない、そんな風に言われる現状が、もうちょっとだけマシになればいいなぁ。


以下、今月からスタートの気まぐれ有料オマケ記事です。今日は「note公式のおすすめに載るには?」の話です。

みなさんめっちゃ気になっているであろうコレ、4-5回ほど載った身として少し感じたことを書いておきます。(タイムリーに昨日の公式おすすめにも掲載されました)ちなみに、実践しても100%掲載という保証はしません。

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