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愛を知らなければ、他者の演技に気づけない。愛を追うよりも、ホームを築け◆見えない仕事【ぷろおご伊予柑の大預言】

対談:ぷろおご伊予柑の大預言をアーカイブしています。
収録は2023年8月です。




ぷろおご 伊予柑



時代の移り変わりによって、有能な人々が減っている・・・?


伊予柑:今回は前回のカラオケをしまくる上司がすごい有能である、という話の続きです。

ぷろおご:見えない仕事の話だ。あれですね、ジブリのえらい人の元上司が、毎日部下とかよくわからない人たちをカラオケに誘うっていう話でしたよね

伊予柑:取引先や部下、とにかく人を集めて、オレのカラオケリサイタルをするという


ぷろおご:嫌われて仕事をしてえらいみたいな話だよね。おれの中高の部活顧問が完全にそれ


伊予柑:なにやってたの?

ぷろおご:ハンドボール。けっこう強かったんですけど、いちばんいい時で、ベスト4ぐらいだったんですよ


伊予柑:全国?


ぷろおご:埼玉県。埼玉県は浦学があるから激戦区なんですよ。浦学はふつうに日本一になるようなチームだから、1位は浦和固定で、ベスト2・3決定戦がアツい。そこからさらに上位大会にでれるからね


伊予柑:ボーダライン

ぷろおご:そう。けっこう強めの学校で。練習のキツさは埼玉イチのレベルで、あだ名が軍隊だったんですよ。合同合宿とかもやっていたんですけど、ツイッターで「〇〇合宿」とかって検索すると、「死にたい、、」ってでてくる。他校のやつらが、「明日〇〇合宿だ、、」って



伊予柑:ほかの学校もあなたの学校に染まるの?


ぷろおご:夏休みの練習をうちで一緒にやるみたいな、洗礼、恒例イベントですね。我々はラクなんですよ。普段やってる練習をやるだけなので。

コートはかぎられているから、人数が多ければ多いだけ、自分にまわってくる回数は減って、ラクになるわけですよ。だからむしろ喜んでた。

ちょっと朝早く起きなくちゃいけなかったり、休む場所がない、寝るところもライオンの前だからやだ、とかそういうはありますけど、練習自体はけっこうラクなんです。

ただ、向こうからすれば、いつもよりえらいきつい練習になる。朝メシを無限に食わされ、その後に短距離走みたいなスピードの中距離を無限回走らされる。そのあたりでだいたい、他校の生徒がいなくなるんですよ。それで、ただの〇〇合宿になるという…

ほかに2校ぐらいいるのに、全員ゲロ吐いてダウンするんです。それぐらいキツいんです。それで、なんでそんなにキツい練習が成立するかっていうと、顧問がめちゃくちゃキツいからなんですよ

どうキツいかって、ただただ恫喝してくるんです。具体的なことはなんにも言わないの。「おい!!!こら!殺すぞ!」みたいな。ゴルフのクラブを持っていて、あれで殴ってくるんですよ。やばいでしょ


伊予柑:ぜったい令和じゃ許されない




スポーツ強豪校ほど、メンバー同士のつながりは強いか?


ぷろおご:今もおなじやり方をやってるのかはわからないんですけど、ずっとそれがまかり通ってた。いい成績で勝たすし、長く勤めているからどの先生にも恐れられてましたね。

えらそうにしてるだけのやつなんだけど、めちゃくちゃ仕事するんですよ。その仕事ってなにかっていうと、嫌われることなんですよね

全員、嫌いなの。もう全員が、だよ。だって、酷いことされるし、意味わかんないし。OBからも現役からも、全世代に「ヤツ」って言われてるんです

夏休みって、OBが練習参加したり、見にきてくれるじゃないですか。で、教えてくれたり、ちょっと大人役をしてくれるんだけど、ヤツが見えなくなると、「最近のヤツは・・」って。30歳ぐらいの男性が「ヤツ」って言ってて、もうずっと嫌いなの。

さすがに30代になると愛も感じる、やってもらってよかったなあってなるんだけど、それでも、「ヤツ」なのよ。体に染み込んでんだろうね。それぐらいみんなにずっと嫌われてるおかげで、ラグビーのアレじゃないんだけど、伝統的に何期生がきても、全員なじむんだよね



伊予柑:共通の体験があるからね



ぷろおご:20年前のOBでもおなじ話ができる。わかる?そのすごさ。先輩後輩関係なく、居ないときにヤツの悪口を言えば全員仲良くなれる




後輩「きました!ヤツです!」

先輩「くっ・・・位置に戻れッ」

後輩「先輩、だめです!想像以上のスピードでこっちに・・あ・」

先輩「くっ・・・!!!」

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ぷろおご:ヤツというむちゃくちゃ仕事できる敵のおかげで、全世代が時を超えてつながってる。そのおかげで強いんでしょうね。すごいんだから。

OBです、って言うと、ヤツの話ができるんです。あるいは、〇〇高校って言うだけでも、やばいやついたよね、ってなる。そういう嫌われ役を買ってできる人っていうのはやっぱり、指導力がなくても、あるいはすごく上手なことができなくても、それだけ全ツッパで大会ベスト4とかに入れて、「これが仕事だ」って言われたら、そうだなって言わざるをえないですよね



部下に「いい仕事」をさせたければ、人間扱いしてはいけない


伊予柑:近い話として、ドワンゴの創業者の川上量生という人がいるんですけど、ドワンゴって600人から1000人ぐらいのチームでものをつくるんですね。めっちゃでかいんですよ。

新しい商品をつくるときって、当然なんですけどクオリティが求められますよね。川上は最初、メンバーに懇切丁寧に説明していたんですよ。「ここがよくて、ここが悪い。こうだから、こうだから…」みたいなことをやっていたんですけど、ある日からフロアで怒鳴るようになったんですよ


ぷろおご:川上さんが?


伊予柑:うん。2、300人いるフロアで、「なんだこれは!」っていうふうにみんなに聞こえるように言うようになったんです。そうすると「すみません!!!」みたいになりますよね。

ちょっと怒鳴り散らしたあと、部屋に帰っていく。そして、帰っていったあとに緊急反省会みたいなのが行われて、「オレたちは今、なに言われたんだろう・・・?」ってなる。そういうふうに、ものがつくられるようになったんです


ぷろおご:アスペのね、怒鳴りラーニングが発生した


伊予柑:川上は賢い人なので、そこにはちゃんと意図があって。怒鳴ったほうが最終的にチームがまとまるし、クオリティがあがることがわかったので、嫌だけど、怒鳴るようにしましたってちゃんとブログに書いてるんです


記事公開後、ご本人からコメントいただきました!





伊予柑:嫌な顧問をやるようになった。そして、そっちのほうが結果がでた。仕事ってそういうもんですよね。ひとりひとりに説明すると、ひとりひとりに反論されたりするんです。当たり前だけど、それぞれ人間だから。人間扱いすると効率が悪いという


ぷろおご:まちがいない




伊予柑:だから、ビッグモーターの副社長をおれはけっこうなんも言えんくて


ぷろおご:運動部ってそれでまわるからね。むしろそれをやらなかったらみんな食いっぱぐれるわけじゃん


伊予柑:そうなんですよ。ひとりひとりに接してクオリティが低いものができたらみんな死ぬから

ぷろおご:それをやるんだったら車の一台ぐらいねえ、

伊予柑:一台じゃないからなあ・・




伊予柑:大事なもののために嫌われ役をやるのって父性ですよね

ぷろおご:そうね。父性、あるいはすごく長期的な視座がある利己主義者ですよね



成果が期待できないのに、新興宗教が街頭勧誘をするのはなぜか?


伊予柑:今の日本人がやりたくないことを統合すると、「嫌われたくない」である。みんなが嫌われたくないと思っているって、あなたはおっしゃってましたけど、


ぷろおご:なんで嫌われたくないかっていうと、愛されない社会だからなんですよ。愛されてる人って嫌われても大丈夫なんです。なぜなら、愛がデフォルトされてるというか、


伊予柑:食べ物が家にあるんだったら外に食べ物がなくてもいいですよね




ぷろおご:でもね、嫌われることと愛っていうのは相反するものではないともおもってる。愛っていうのは万能性のあるもの。嫌われることは愛というものに対して、あんまりダメージを与えない、削らないものなんですよ。

愛1に対して、嫌われが100きてもそんなにくらわないんです。だけど、裸だとめちゃくちゃくらうんです。愛が0だったらボロボロになってしまう。愛という装備がなければ100そのままダメージをくらってしまうけど、愛が1でもあれば、100のダメージは100の攻撃力を持っていないというか、



伊予柑:それこそ新興宗教とかが外で勧誘しまくるのも近い話ですよね。誰が入信するんだよ!みたいなヘイトをめっちゃくらうんですけど、新興宗教としては、「愛してるよ、だからやってね、」とやることでむしろ結束が強まるとされているんです


ぷろおご:嫌われるのがこわいのは愛が欠落しているからっていう話だね



愛されてないと嘆くより、身体を鍛えるべき理由とは?


伊予柑:そのときの愛はなんですかね、他者から責任なんですかね

ぷろおご:おれの感覚では、嫌われるっていうのはたぶん、数値化できるんですよ。頭のなかで、ダメージがね。だけど、愛はできないものですね。美しさとかって数値化できないじゃないですか


伊予柑:うん、できない


ぷろおご:達するか達しないか

伊予柑:どうやって人間は僕は愛されてるんだ、って認知に至るんですかね


ぷろおご:達してるしなあ、ってなるとけっこう無敵なんですよね。ここはオレ美しさ達してるしなあ、とか、ここはオレ愛が達しているしなあ、ってなると急に強くなる。

ゼロヒャク概念だとおもっていて、マッチョが強いのは自分に納得できる筋肉があるからで、あいつらは何を言われてもそんなにダメージくらわないんですよね





なんかお前仕事できねえな、って言われたちゃったや・・・

だけどまあ、今日も今日とて、筋トレするだナ!!
オレには筋肉があるし

イメージ:マッチョ

伊予柑:筋肉から愛されてる



ぷろおご:「まあ、とはいえ別問題だよね、」みたいなそういうものを持ってるやつは繊細にならないですね。自己愛、確固たるものがあるかないか


伊予柑:愛は生存欲求だっていうのはひとつあるとおもうんですよね。まわりに嫌われてもおれは生きていけるしなあ、という。からだが強いと当然、生存率はあがる



SNSのプロフィールに書かれているものをアイデンティティと呼べるのか


ぷろおご:身体性がないっていうのはまずいことなんですよ。ふわふわしてる。なんでみんながアイデンティティにこだわるかっていうと、SNSやってて、からだがないからだとおもう。

からだがないところで、私の生存をはかる、あるいは無視されない存在になるには、アイデンティティが必要じゃないですか。フォロワーを増やすためには、注目されるような経験とか、肩書きがないといけない。なにかしら、おもしろいことが言えないと、殺されちゃうわけですよね。


なかったことにされちゃう、
それはたしかに致命的じゃないですか。でも、からだがある人って、SNSに没入していてもスマホを置けば、あ、そっかこれから遊びにいくんだった、ハッ…!ってなるわけですよ。

からだと一緒にアイデンティティがあって、「たしかに自分が存在している」という実感があるんですよ。仮にアイデンティティがなくたって、気がついたら1日経つじゃないですか。

スポーツしてる人で、スポーツしながらアイデンティティのこと考えてる人っていないわけですよ。そう考えたときに、身体性がないっていうのは、ふわっとした概念みたいなものからからだの代替品、たしかに自分が存在していることを証明するものを探さないといけない。そうするとアイデンティティなんかが必要になる




からだ、ない、

なにもない
でも悲しい

じゃあ、かなしいってことはワタシがいるってこと?

なにもない、ワタシはなんだろう
ふわふわしていて、どこにもよりどころがない

ふあんだ

イメージ:ふわふわちゃん



伊予柑:YouTuberと話すことがあるんですけど、彼らはチャンネル登録が100万あってもみんな不安ですね


ぷろおご:身体性がないからね


伊予柑:そういう人たちは、1万再生いけば安心できるんじゃないか、10万再生があれば安心できるんじゃないか。100万再生があれば安心できるんじゃないか…ってなって、いつまで経っても安心しないです。

だから、結果として同層とつるむんですよ。それで「オレたち大丈夫だよね、」ってお互いに言い合うことで、なんとか自我を保つんです。でもたぶん、身体がつよいやつはそんなことしなくていい。要らないはずなんですよ



映画を一本、見続けられなくなった人に起きた変化とは?


ぷろおご:おれがつよいのは、身体のセンサーがばりつよだから。五感がぜんぶ生まれつきすごくて、外せないんですよ。仮にスマホいじっていても身体性が失われることがない。没入できないんですよ。

映画とかはできますよ。映画は横感で見るものなので。座って、身体も落ち着いているからだんだん気配がなくなってくる。でもスマホは見ていてもどうしても気が散る。手元に集中したことって今までなくて、ゲームとかでもそう。小さすぎるから。身体感覚が鈍化しないがゆえにつねに身体的、それによって、インターネットでディスアドなことをやらないで済んでいる


伊予柑:身体がみんなそもそも弱いのか、スマホで身体を忘れたのか、どっちなんでしょうね


ぷろおご:忘れたんじゃないですか。忘れたら弱くもなりますよね。疎かになる



伊予柑:あなたにメシを奢っているあいだって、身体しかないじゃないですか。スマホをあんまりいじれないから。そのときってつよくなってるんですか?

ぷろおご:つよくなるっていうか、そこしか見せられないようにしたら、それで戦わざるをえなくなるので、普段使わない筋肉を使いますよね。それで、筋肉痛みたいな状態になるんじゃないですか?


伊予柑:スキー行ったときは普段使わない筋肉が筋肉痛になりますよね

ぷろおご:そうそう。だからみんな最近、映画を一本見れないとかいうじゃないですか。それも結局身体性が終わっちゃってるからだとおもうんですよね。身体が弱いから、たぶん没入ができてないんですよ。



嫌われ役が向いてるのは、どんな人か?


伊予柑:テレワークだと家からでないんですよ。僕テレワークなんですけど、強制力がないと身体はひたすら衰えるんだよなあと思っていて、



ぷろおご:そうでしょうね。なんていうかおれはその点に関して、たんに時間が足りてない気もしますけどね。みんな、おれより身体的なことをしていない。

おれはもともと身体感覚が強いうえに、さらにより多くの時間が身体的な時間になるようにしていて、そのために歩いたり、人に会ったりしてる。スマホいじる時間より人に会ってる時間のほうが長いんですよ。たまにしゃべってるときスマホに触るかもしれないけど、その程度で。

身体がないことはたのしくないんですよね




伊予柑:ちょっと話を一回元に戻してみるんですけど、嫌われ役をやるのって身体がある人の仕事なんですかね、

身体っていう自信がなければできないのかな


ぷろおご:やり続けられてる人はきっと身体があるんでしょうね。身体がないとやり続けられないからね


伊予柑:だって嫌われ役って短期的なメリットがないじゃん

ぷろおご:両極端なんじゃないですか。ひろゆきさんって身体がないでしょ

伊予柑:ない

ぷろおご:ないからできるんじゃないですか

伊予柑:あれは舞台の上だからでは?



ぷろおご:嫌われたほうがいいってなったらできるんじゃないですかね。どっちかなんじゃないですか。

完全に身体がない人、ドアスペで人の「嫌い」みたいな概念を身体的に理解できないからダメージくらわないみたいなやつと、嫌われてることは自覚しているが、それはそれとしておれには筋肉があります、みたいな無限に体力のある人


伊予柑:もしくは愛があるか、ですね




あなたが「嫌われ役」をやるために必要なものは?


伊予柑:僕、最近副業でジョインした会社があって、そこでやる仕事って嫌われ役なんですよ

ぷろおご:すごい仕事を押し付けられてるんですね


伊予柑:ちょっとうまくいってる会社で、10人から20人ぐらいの規模になってきた。そうすると経費がちょっとガバるんですね。うまくいってるからいいんだけど、甘く使っちゃうとか、飲み会やりすぎるとか…

それを中の人が注意するのってけっこうしんどい。そいつも貢献してるから。そのときにアスペ伊予柑がやってきて、この飲み代、なにに使われたんですか?とか半額でもいけますよね、みたいなことをチクチク言う。

そういうスーパー嫌われ役なんですけど、会社には居ると便利なのよ。言いたくないことを言ってくれるから


ぷろおご:居ないとだめだね。現実的な話をしないといけないから


伊予柑:機材の棚卸し要りますよね。とか。これを俺ができるのはアスペだからなのか、体力があるのか、愛があるのか、どれなんだろうなあと思いながら聞いていたんですけど、


ぷろおご:伊予柑さんは演劇的にやってますよね。演劇的にやるってことがどっちなのかってことですよね。身体をむしろ捨てているのか



伊予柑:部活の顧問も演劇的にやっていた可能性があるんですよ


ぷろおご:演劇は身体だけになる作業だからそういう抽象的な嫌い、みたいなものはあんまり発生しないんじゃないですか。ワタシが嫌われてるのではなく、そういった存在が嫌われてるのであり、ワタシはその演劇をしているのだ、っていう処理もありますよね。会社とかは演劇的だから、もしかしたら演劇になってる


伊予柑:そうすると、みんなが嫌われ役をできないのは、演劇度が下がったからともいえるわけで、


ぷろおご:それはそうでしょうね

伊予柑:つまり今の日本人が、嫌われ役をできない理由は、体力が衰えたのか、愛がなくなったのか、演劇度がさがったのか、この3つじゃないですか、



地元に友達がいる人は、愛を知っている


ぷろおご:演劇にも私的なものを求めちゃうんじゃないですか。演劇が成立してない。ワタシはこんな役やりたくないのに、こんな役やりたくて俳優になったわけじゃないのに、っていう人いるじゃないですか


伊予柑:愛がないと演劇はできないもんね


ぷろおご:私的な、身体的なものが備わっている人であれば、演劇ができるはずなんだよね。だって、帰ったらべつの役があるんだから



伊予柑:100演劇になるとツラいですからね

ぷろおご:そういう人が多いんだとおもう

伊予柑:みんなの世界が狭いのかなあ、

ぷろおご:役の時間、あるいは役でない時間、または他の役の時間、そういうものがない人はふわふわしちゃう。YouTuberコムドットしかなかったらきついですよね。でも、コムドットなので女を無限に抱けます。そいつらはオレをたくみくんって呼んでくれます、ってなると、まあええかってかんじじゃないですか


伊予柑:それよりもたぶん、地元の友達とかが大事だと思う



ぷろおご:身体的なもの、身体的な関わりが枯渇すると、こじらせるなあという感覚


伊予柑:そうすると、地元の友達に再度連絡をとってみよう、そういうつながりを身につけると、かえって今の場所でも強くなれるよ、みたいな話になりますね


ぷろおご:そうですね。いちばんわかりやすくて、再現性のありそうなレベルでいったらそう。だけど地元の友達がそもそもいた人って、あんまり居ない気がするけどね。今って地元の友達がいないからね


伊予柑:だんだんフェイドアウトしていった人が多いと思います。そもそもいない人もいる



ぷろおご:そうなんだよね。関係が保存されてなかったら、全員イチから集まらないといけない。毎回同窓会やらないといけないってなる。そうなるとコストは高くなりますよね

伊予柑:しんどいなあ。地元との関わり、パブリックな〇〇年、〇〇組グループはあるけど、オレの友達はいないってパターンがあるわけですよね



なぜ、ぷろおごは結婚を勧めるのか?


ぷろおご:「オレの地元」とかも、けっこうないですもんね。全員それぞれの人生を送っているから、あらためて声をかけて、人を集めなきゃいない。そこで「地元に戻る」っていう選択肢がない時代にどうするかっていうことなんでしょうね


伊予柑:そのまま、みんなよわよわになるか、筋肉を鍛えるしか・・・



ぷろおご:だから「結婚しかなくね?」っておれは言ってるんですよ


伊予柑:新しいアンカーとして、帰るホーム


ぷろおご:そうそう。儀式があれば安心するし、法律的なバックもある。子どもが生まれれば関係性も続くし、そしたら自ずと個人的な関係になり、家に帰ったら家族がいるし、ってなる。それなら仕事もべつに怒られ役だろうが、気にならないよね


伊予柑:ホームがあるから演劇としてできちゃう

ぷろおご:そうそう。ホームがあるから父性があるそういう順序なのかな。父性があるからじゃなくて、


伊予柑:今はホームがなき時代なんですね


ぷろおご:そう、だから父性も成立しない。ホームがあれば、「おれはコレがあるしなあ」っておもえるようになる。そうすると、会社でどう扱われようがインターネットでどう扱われようが、べつに、「はあ。」ってなるよね



伊予柑:愛とはホームなんですね


ぷろおご:うん。正直おれは、ツイッターでどれだけ嫌われてても、あるから。ツイッターを経由した誰かがいる。その人たちはつねに存在しているし、その人たちとの関係は成立してるじゃないですか。そうすると、「それ以外」みたいになっちゃう。

会ってる人たち以外の世界、そこにどんな影響があっても、おれが会ったことのある人、見える人たちがいて、そこに届くものがあれば、おれがツイッターで嫌われてても嫌われてなくてもどっちでもいいかあってなる


伊予柑:ヒール役をやることもあればベイビーフェイスをやることもある



ホームを捨て、ひとりで強さを追求することは悪手なのか


ぷろおご:そういう感覚になれるのは、会ってるし、身体的に受信してるものが多いからっていうのはあるかな。そっちのほうがリアリティがあるんですよね


伊予柑:ホーム感がない人、読んでる人のなかで多いとおもうんだよなあ



ぷろおご:ツイッターやってる時間ってすごく圧縮されていて、ちゃんと推測したら「30000時間ですかね」とかってなるんだけど、30000時間って言われてもまったく実感がないですよね。「おれからすると100時間はやってるかな」ぐらいの感覚なんですよね。

対して、実際にどれぐらい人と会ってしゃべりましたかって聞かれたら、「10年ぐらい・・?」みたいなかんじなんですよ。


ここ4年で何人と何時間ぐらいしゃべりましたか?

ええっと、そうだな、まあ人数はわからないけど、10年ぐらい?



ぷろおご:からだを介したやりとりとそうでないやりとりでは、それぐらい時間の濃度に差がある。身体的な時間は思い出に残るというか、記憶が残る

伊予柑:そうすると、たとえばラグビー部のやつがうっかりツイッターで人気になって炎上しても、たぶんそんなに打撃ないですよね


ぷろおご:ないですね。でもインターネットに慣れてなかったら大ダメージになることはあるとおもうよ。「なんだろう?」って、からだがある人たちが全員こちらを向いて怒ってると想像しちゃったりね

そのときに、インターネットがわかっていれば、「ここは身体性を失った人たちが魂だけで彷徨っている場所なんだ、実質墓場か、」っておもえるから、へいき。

身体性のある彼らはおそらくインターネットをよくわかってない。だからくらう。芸能人とかもくらったりする、いちばん身体性のある仕事だし



伊予柑:芸能人はね、幽霊。最初からずっと幽霊なんですよね。ライバルがいない。芸能人はみんな幽霊だけど、スポーツは目の前にムキムキがいる


ぷろおご:スポーツやってる人はつよいですよね




伊予柑:自分の身体がホームになるんですよね


ぷろおご:見えない仕事をするには、見えるもの、確固たるものがないとだめっていうのはあるかな

伊予柑:だいぶいいまとめになりました

ぷろおご:アンチにいつもそれっぽいことを言うよねって言われる




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