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詩のご紹介255 木の芽峠の蝶(小黒恵子作)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今日は、小黒恵子の詩による歌曲集「うぬぼれ鏡」の中から、第2作目の「木の芽峠の蝶」(小森昭宏作曲)をご紹介します。

 この歌曲集は、詩と音楽の会の「新しい日本の歌」で演奏された中から、9曲を選びました。これ等はNHKラジオの、新春番組にて放送されました。
 うたにはそれぞれの、その時どきの背景にある思い出があります。今あらためて遠い日を、なつかしく振りかえっています。
   寒椿の美しい季節に。
                          小黒恵子
木の芽峠の蝶
小黒恵子作詞/小森昭宏作曲

木の芽峠で道に迷った日
虹いろの蝶に めぐりあった
木(こ)もれ陽にひかる 美しい羽
さあ わたしについていらっしゃい!
ふしぎな蝶は かろやかに
森の奥へと 誘っていった

森の木(き)の葉は 蝶の群だった
いっせいに羽を ひろげ飛んだ
きらきらと光る 鮮やかな色彩(いろ)
さあ はだしになってごらんなさい!
無数の蝶が 乱舞して
森の広場で いっしょに踊った

踊りつかれて 草にねころぶと
野アザミの花が 頬をなでた
新緑をゆらす さわやかな風
さあ 峠の道はそこですよ!
ふしぎな蝶は ささやいて
風の流れに 光って消えた

 最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。
 次回は、小黒恵子の詩による歌曲集「うぬぼれ鏡」 の中より「馬鈴薯畑で」をご紹介いたします。(S)

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