見出し画像

批評、随筆、エッセイの愉しさ

批評家・哲学者のスーザン・ソンダクの『反解釈』という短い批評文の集成を読んでいるのだがこれが面白い。

批評というのは文学から写真から映画まで幅広いのだが、随筆とはまた一味違った愉しみがある。随筆やエッセイは著者の実体験を切り取って論じられる。一方、批評の方は小説なり映画なり具体的な批評物があり、その対象物を実際に読んでみたり観てみたりして愉しむことができるのだ。

批評が上手い人は随筆やエッセイも上手い。共通しているのは著者のちょっとしたズレた視点だろうか。

一般人とちょっとだけ、右斜め上に視点がズレているとなんとも言えない面白い文章が生まれる。読者の少し右斜め上をいくという点で冨樫義博という漫画家は面白い作品を描くのだが、漫画批評なんかをやらせてみたら面白いのではないか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?