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「○玉出るかも」 -男子発言ノート46

「彼女欲しいよー。結婚したいよー。
誰か紹介してよ、おーしまさーん」

うるさいなあ。

事あるごとにそう訴えてくるアラフォー男子が、そう言いながらもある報告をしてきた。

「最近、俺モテてるかも」

やっぱうるさい。
なになに、よかったじゃないですか〜! と表面上称えると、「でもなんか、ちょっと違うんだよね……」とスマホの画面に目線を落としながらうなだれている。

見せてくださいよ〜と彼のスマホを覗き込むと、画面越しにも伝わるノリノリのテンションで、「○○さん! 私、今、メッチャ発情してます!笑」みたいなLINEが送られてきていた。

発情? ──じぶんが発情していることなど誰かにわざわざ報告したりすることのない大多数派のうちの一人である私は、驚きつつも、すごいじゃないですか誘われちゃってるじゃないですか! とさらに称えた。
しかし彼は、複雑な表情でこう答えるのだった。

「だから違うんだよ、俺が求めてるのは。
ラブリーなセックスがしたいの、俺は」

……あっそ。

うっるっせーー! 知らんがな!!

でも“それはそれ、これはこれ”で、この発情している彼女にもいっとけばいいじゃないですか〜、と私も私だがなことを言うと、

「いや、だって。俺もそろそろ……赤玉出るかも、と思って

と、深刻そう。

何よ、赤玉って?
景品抽選会でやるガラガラが頭に浮かび、そこから「ポン」とハズレの赤い玉が出る。

「知らない? 赤玉って。“打ち止め”ってこと。
俺も結構、遊んできたからさー」

そうなんだ?苦笑

※ 赤玉とは、男性が生涯で☓☓デキる上限に達したときにあそこから出ると言われている都市伝説の玉。ガラポンの玉ではなく、昔パチンコ屋で打ち止め時に出た赤い玉。……からきているらしい。(諸説あり)

彼の年齢からして、まだそんなことを心配するには早いとは思ったけれど、残りわずかとなってきているかもしれない限られた“生命力”を、もはや無駄打ちはせずに、愛するひとに捧げたい。

ということであれば、マジ出会えると……いいね!! と渾身のエールを送る以外なかった。

そこで、こんなことを訊いてみた。

じゃぁ、残りあと玉3つは残ってるとして、その1つだけでもその彼女にはいかない?

「……いかないなぁ」

めっちゃ玉、大事にしてる……!!

でも、そういうものかもしれない。
有限だと実感してこそ、ひとはそれを大事にするものだ。(もっとずっと前から大事にしてこいよ。笑)

 

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「それやってたらウチら結婚してるよ」
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