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祭りのあと

政治のことを「まつりごと」というように、一部ではお祭りのように盛り上がっていた衆議院議員選挙が終わりました。結果は自民党の圧倒的勝利。市井に生きる私たちには、特にこの結果で生活が変わることもないように思います。実は私、大学時代は政治学を専攻していました。とっても不真面目な学生でしたが。ということで今日は政治について少しだけ。むずかしい話はしないので、しばしお付き合いいただけるとうれしいです。

少し前の話になりますが、夏の東京都議会議員選挙のときに秋葉原で安倍総理が自身と自民党へのアンチに対して「こんな人たちに負けるわけにはいかないんです!」という発言をしました。選挙というのはいわば「戦争」。いつ解散するかわからない(=いつ選挙がやってくるとも限らない)衆議院の議員たちは「常在戦場」という言葉をよく使うそうです。もちろんこのときの安倍総理は戦場のまっただなか。そして日本の総理大臣としてではなく自民党総裁として、敵(このときは都民ファーストや民進、共産)に負けるわけにはいかないという思いから出た発言であることは想像に難くありません。そして、たしかにその現場の反安倍・反自民の人たちの発言や行動も、お上品と言えるものではありませんでした。

しかし、この発言はひとつの国を預かる総理大臣としてもっとも言ってはいけないものであったと私は考えます。なぜなら安倍さんは、与党である自民党支持者だけではなく野党の支持者たちも含んだすべての国民、そして居住する人を守る責任のある日本の元首だからです。こんな人たちもまた、安倍さんが守るべき国民なのです。

私は政治には包容力が必要だと思っています。圧倒的多数を占める与党だけが通したい法案だとしても、少数の野党の意見も聞き、すり合わせ、妥協点を見つけることが民主主義です。ただ多数で決をとることだけが民主主義ではないのです。現政権は特に包容力に欠けていると私には感じられます。

こんな人たち、対話より圧力、排除の論理。

いま政治の世界から聞こえてくる言葉は冷たくて排外的なものばかり。それは日本だけではありません。もっと包み込むような優しい言葉に触れたいと思うのはおそらく私だけではないはずです。イデオロギーを異にするからといって、憎悪することでは何も生まれません(「憎悪からは何も生まれない」と同じ秋葉原で安倍さんも発言しています)。それが今回、小池百合子さんの「排除の論理」が反感を買った理由のひとつでしょう。

これから数年、北朝鮮との関係や東京オリンピック、天皇退位など日本ではたくさんの大きなできごとが起こります。現実的に政権交代はなかなか難しいでしょう。せめて政権を握る人に、そして永田町や霞が関にいるすべての人に、もっと包容力を持ってほしい。一有権者の私は、ただそう願うばかりです。

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