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選評*ずつしりと海の重みの海鼠かな

ずつしりと海の重みの海鼠かな   岡田  耕

海鼠。字のごとく海底に棲む鼠のような、あるいは巨大な蛭のような形で、目も鼻もなく何とも奇妙で薄気味悪い生き物。先ずこれが食べられるものと思えないが、淡白で歯応えのある酢海鼠は意外に美味。取分けその腸の塩辛は呑んべいには堪えられない。
岡田句。触っても大して動く訳でもなく、生きているのか死んでいるのかよく分からない海鼠。しかし手に持つと元気な海鼠は思いの他ずっしりと重量感が。それは対腔内にたっぷりと海を抱くごとく水を湛えているから。腹を割くと驚く程の勢いで水が飛び出るが、その水で海鼠は捕えられて水から上げられても結構長く生きている。正に命の水であり、海の重み、命の重みである。

俳句雑誌『風友』令和五年五月号「-風紋集・緑風集選評ー風の宿」磯村光生

☆青森県北上郡横浜町のナマコ漁のレポート記事です。こんなふうにして捕るのですね。


【スキ御礼】選評*一茶忌や母の名刻む竹定規

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