【スキ御礼】鑑賞*しばらくは人の高さを石鹸玉
十六世紀の西欧の絵画では、シャボン玉が人の命の儚さの象徴として描かれています。
これは、古代ローマの諺「人間は泡沫である」homo bulla、「人間の命ほど壊れやすく、束の間で、空虚なものはない」という人生観に基づいたものだとされています。
それを表す実際の絵画をご紹介できないままでしたが、Nao Masunaga さんが、イタリア ペルージャのウンブリア国立絵画館で催されたシャボン玉をテーマにした特別展のレポートの中で紹介されています。
紹介されている作品のタイトルからもシャボン玉に託された人生観、世界観が伝わってきます。Nao Masunaga さんの記事から抄出しますと、
近世のものでは、
これに描かれたシャボン玉には、ナポレオンによって侵略された地域の名が一つ一つに書かれていて、これはナポレオンの権力の脆さ、儚さが象徴されているというのです。
貴重な作品画像のご紹介に感謝です。
(岡田 耕)
*参考文献
森洋子『シャボン玉の図像学』未来社1999年
写真/カレル・デュジャルダン「シャボン玉を吹く少年」imgurl:https://assets.st-note.com/production/uploads/images/11612212/rectangle_large_type_2_32b91d1589e557f4186fdfdcef37c7cb.jpeg?width=800 - 検索 (bing.com)