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「年齢の壁ってなんなんだろう?」〜映画『あやしい彼女』 〜

先日ランチで、「最近、なに見た?」という話題に上がった『あやしい彼女』。

「面白かったよ〜」と言われたので、そのうち見ようと思っていたのだけれど、今朝たまたま見たアマゾンプライムの「見放題終了間近の映画」の中にこのタイトルを発見して「こりゃいかん」と慌てて見てみた。

コメディかと思ったけど、ちょっと違った。
意外に色々考えさせられたし、ちょっと感動して泣いた。

かんたんなあらすじはこちら↓

可愛いルックスと天性の歌声を持つ20歳の女の子・大鳥節子(多部未華子)。その容姿とは裏腹に、口を開けば超毒舌、相手かまわず罵声を浴びせ、時には熱く説教をする。そんな“超絶あやしい20歳”の正体は、73歳のおばあちゃんだった!戦中生まれの下町育ち、早くに夫を亡くし、女手一つで娘を育ててきた。望むような人生を生きられなかった主人公に訪れた二度目の青春!突然若返った彼女は、“こうなったらとことん好きなように生きてやる!”と髪型も服装もチェンジ、正体を隠して、新たな人生をスタート。そんな彼女の天性の歌声は、魂を震わせ、たちまち周囲を魅了していく。長年彼女に想いを寄せる幼馴染の次郎も巻き込みながら、初めて思い通りの人生を歩む節子。───そんな彼女が最後に気づく大切なものとは?

(観るまで、主演が榮倉奈々さんだと思っていたのはここだけの秘密…笑)

簡単に言うと、73歳のおばあちゃんが、突然20歳になって、「やりたいことをやってやろう」と思い、あれやらこれやら人生を楽しんじゃうお話。

* * *

この映画を見たら、みんな考えるんじゃないだろうか。
「自分が本当にやりたいことは何だろう?」って。

私は72歳に比べたら、うんと若い45歳だけども。
もしも20歳に戻ったら?18歳に戻ったら?
何をする?あの頃、何がやりたかった?

そう考えたら「大概のことは今からでもできるじゃん」ってなってしまったのよね。

もちろん、できないこともある。
たとえば出産とか。これは若くないとできない。残念ながら。

でも、多くのことはできるんだ。

たとえば、私が22歳の頃やりたかったこと。
それは「留学」。

色々あって断念したけど、45歳の今から、やろうと思えばやれる。
「1年留学してきまーす」とか。できちゃう。

そう思うと、年齢のせいにして勝手に諦めてるのは自分なのだなぁってね。

あと世間の目というか、世の中の共通認識的なものに怯んでる部分もあるのかなと思う。

というのも、最初の方のナレーションで語られてたこれ↓

「この国の女性は、若さ至上主義。1歳でも若い女の勝ち。長く生きて得をすることは少ない。まして中年と呼ばれる頃さえ過ぎた女は、もはや男でも女でもない。老人という自分とは違う別の生き物扱いなのである」

いやほんとそれ。

つい昨日、父とも「青春って短いよな」って話になったんだけどね。
青春のあとの人生の方がはるかに長いのに。
中年に老年。そんな時代の方がうんと長いのに。

なのになぜか「若いを良し」とする風潮があるよなあって。

中年や老年になってから、何か新しいことをすると稀有な目で見られたり扱われたりしがち。
「その年ですごいね。よくやるね」みたいな。

20歳で留学するのは普通だけど、45歳で留学するってなったら「すごいね!」みたいになるし、もし72歳で留学したらテレビに取り上げられそうな勢い。

一体どこにNGの線があるんだろう?
20歳はいいけど25歳は?30歳は?じゃあ35歳は?40歳はもう遅い?

でもさ、別によくない?
幾つになったって、どこへ行ったって何をしたって。

他人の目や世の中の基準なんて無視して、やりたいことをのびのびとやってしまえばいい。

せめて自分だけは、年齢なんてものに縛られず、それを「よし」としてあげようよ。

そう思わされた映画でした。


さいごに。

映画もさ、おばあちゃんに戻ってもそのまま歌い続けられたらよかったのになって。
若くないと夢を追えないって、悲しいなあ。


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