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いよいよ「解散総選挙」モードに突入。ー 日本は経済構造のリフォームへ?

 ”減税なら国民の審判必要”

 「損切丸」では再三再四「解散総選挙」について書いてきたが、いよいよと言う感じ。これから年末にかけて「円」相場、特に円金利市場は ”選挙モード” に突入、つまり「利上げ」が前倒しになる。

 「減税」含みだと株は買われるかもしれないが、FXでは「円売り」材料として捉えられる。JGBも売り要因だが、この際の「金利上昇」は「円買い」には結び付かない。そうなると不満が溜まっている「円安」対策としては「ドル売り介入」と「利上げ」が必要になってくる。

 丁度本日(10/3)9月の「日銀短観」が出たので内容を検証してみよう。

 4,000社近い起業からのアンケート(  標題ご参照)を取った調査は世界に類を見ない精緻さであり、実は凄い「日銀短観」。- ”FACTFULLNESS” 的観点から。|損切丸 (note.com) ↓

 ヘッドラインだけでも大企業製造業+9(←6月+6)、非製造業+27(←6月+23)は強い数字で、特にサービス部門の堅調さが際立つ。これはやはり「インフレ」≓「値上げ」効果だろう。製造業でも建設・不動産に引っ張られている木材や石油関連など原材料関連が好調を維持。半導体の供給が正常化した自動車も復活している。

 ただ価格が上がり過ぎて売上に鈍化傾向が見られる電気機械など不安材料もある。価格転嫁が出来ない中堅・中小の建設・不動産業、あるいは宿泊・飲食業には業績悪化の傾向も見え、実際*「人手不足」も深刻化し倒産が目立つのもこの業界だ。

 *インボイス導入反対署名の50万強と大分被る。ただ、その反対側で110万もの非課税業者がインボイス導入を決めているのも事実「大変だ」「可哀想」で煽るのはメディアの悪癖なので、マーケット同様、 "FACT" (事実)をきちんと捉えたい。筆者は決して財務省の支持者ではないが、例えば本来5,000万円の売上があるのにわざわざ5分割して納税を回避してきた悪質業者もいるだろう。1点突っ込み所があるとすれば、欧州のVAT(付加価値税)が企業に対する税金であるのに対し日本は消費者が払う認識になっている点。この辺が整理されればもっと簡潔な仕組みになる。日本もサプライサイド(供給者=企業)寄りの政策運営からデマンドサイド(需要者=消費者)に転換する時期に来ている。GDPの60%は個人消費なのだから。

 この点は価格判断、雇用判断 ↓ でも見て取れるし、企業金融判断で金利の上昇傾向がはっきりしている事から、企業側は近い将来の「利上げ」を覚悟しているようだ。

 実質+4%を上回るCPIやこの「短観」を見るだに「マイナス金利政策」やYCC(イールドカーブコントロール)は完全に不要。本来「どこまで政策金利を上げるか」(ターミナルレート)の議論に移行してもおかしくない内容だ。あとは もう「失敗」できない日銀。|損切丸 (note.com) が腹を決めるだけ(ただ70歳を超えたお爺ちゃんにその責めを負わせるのは酷かも)。

 こうなると「円買介入」と「利上げ」の札を11月に予想される選挙までの間にどう切ってくるかの勝負FXトレーダーとしてはドル円が落ちたところを拾いたいだろうから、あとは当局がどれだけ効果的に裏をかけるか。例えば「介入」で下がった所でドル円を買ってきた後に「利上げ」の札を切ってポジションをぶった切らせるとか、タイミングと順番はあろう。

 自分達の理解者である現首相を応援したい財務省としては、アイデアを絞って現政権維持を目論んでくる「介入」も「金融政策」も実際タクトを振るっているのは彼らで、これから1ヶ月間は "狸と狐の化かし合い"

 ”増税〇ガネ”

 しかし酷い "悪口" を思いつくものだ。選んだのは自分達なのに。まあそれだけ目の前の生活に追い詰められている人が増えている証なのだろうが、実際今回の「減税」はよく考えて投票した方がいい。これまでもそうだったが、その後** "倍返し" の「増税」が待っているのは明白。進言しているのが "元締め" の財務省なのだから。

 **「徴収した税金をいかに分配するか」。当然彼らは「正しい事」を進めているという "信念" で動いている。現在の様に+60兆円の税収に対し▼120兆円も支出している「ザル財政」「減税」など実行すれば機械的に穴埋めが発生する「正しい事」と信じているだけに厄介ではある。

 「利上げ」に関しては、実は「インボイス導入」と位置付けが似ている悪く言えば「弱者切捨て」、よく言えば「生産性の向上」企業は巨額の余剰金を抱えているし、個人も預金>ローンの状況「利上げ」も「インボイス」も全体的には間違っていない。「弱者」向けに出来る事は別途「セーフティーネット」の充実しかない。

 これらがはっきりした意志の元に発動されているなら、日本の経済構造のリフォームになる。案外この "変化" を国外の投資家は歓迎して日本株を買っているのかもしれない。但し "魂" が入っているなら(今度こそ裏切らないで欲しい。苦笑)。「インフレ」で待った無しなだけかもしれないが。

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