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文通・2 再びつながること-3

言葉に悩んで綴ること


12月初めに一年越しの手紙の返事を出した相手は、学生時代の友達。
わたしにたくさんの影響を与えてくれたその友達とは、年賀状のやりとりだけの年を重ねていたが、数年前、それに変化があった。

前回↓


数年前の年末だ。
Kちゃんから一通のはがきが届いた。

喪中はがきだった。

お姉さんがその年の1月に亡くなったという知らせ。
そして、そのはがきの地の部分を使って、小さな字で、状況などが書かれていた。


三姉妹の真ん中だったKちゃん。

Kちゃんのお姉さんは、健康体で、原因不明の突然死だったらしい。
そして、文章からはお姉さんの死に対する悲しみ以上に戸惑いみたいなものが見え隠れしていた。


Kちゃんは、家庭の状況に振り回されることも多かった。
某宗教の信者だったお母さん、自分の元教え子と再婚したお父さんがいて、高校中退の理由の一つは、お父さんに家事を優先するよう頼まれたということだったらしい。

お姉さんも、当時、正直メンタルに問題アリな感じで、その影響も受けざるを得ない状況にKちゃんはあった。
(同時に、お姉さんが交際相手を切らしたことがないという話も、蛇足ながらよく覚えている)

とにかく、その喪中はがきをもらい、返事にあたるものを書かねばと思ったわたし。

しかし、Kちゃんの気持ちに寄り添う言葉が何なのか、大いに迷った。

家庭を持ったことで、薄まりながらも、学生時代と同じような関係性ならば、お姉さんに対して複雑な気持ちもあるだろう。
そうなると、ただただ、ひたすらに大切な人を亡くして大きな悲しみに包まれている前提のお悔やみも、違う気がした。
が、年月をかけて、関係が改善されているのであれば、悲しみが増さるであろう。

迷いに迷ったが、結局のところ、その迷いをそのまま書いた。

お題目の無いシンプルなカードを使って、お悔やみと、近年の状況はわからないが、昔のお姉さんの話を思い出すと、Kちゃんに何と言うべきか難しいと正直な気持ちと、Kちゃんと、Kちゃんの大切な人が元気でいてくれたら嬉しいというようなことを。

すると、しばらくたって、Kちゃんからお礼を兼ねた長い手紙が届いた。

便りが嬉しかったということと、最近のお姉さんや実家家族との関係などが正直に書かれていた。
それに対して、返事を書こうとやはり即決したのだが、実際に書いたのは半年後だったかな。

Kちゃんの手紙を受けて書いた便りは、わたし自身のことも綴った長いものになった。


2023のはじまり。太陽にぬくもりを貰う冬。

続き↓(5で完結予定)


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#母との葛藤 #文通 #再びつながること #救われること  



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