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不審電話の先にいたのは

全く予期せぬ相手


先月、突然覚えのない携帯番号から電話がバンバン来るようになった我が家。(発信番号は同じもの)
電話機の応対機能にすると、無言のまま切断され、しかしその後も頻度が増してきたため、ある夜、夫を担ぎ出し、いよいよ対決となった。

前回↓


ということで、電話に出た夫の様子をかたずを飲んで見守るわたし。

半ばわたしに聞かせるために、内容を復唱するように言う夫。
その口から出てきた予想外の名前に愕然とした。
「Aさん?……今いませんが。どういった御要件ですか?」
「ですから、今はいません。いつ帰ってくるかもわかりません」
「そういったことも含めて、本人に伝えますが」
「いえ、とにかく電話があったことは、伝えますので」

その様子から、Aが夫に、わたしと話したいが要件は言えないと言い続けているのがわかる。

それを横で聞きながら、まずは不審電話がAからだったことに驚愕。
とりあえず、夫に身振り手振りで、出るつもりがないことをアピール。

それから、「なぜ?」という疑問と、病的にかかってきた電話が「大っぴらにできない要件」とわかって出る人いるのか?と思ったわたし。

軽く「超久しぶりに話したくなって」とかで済ましておいたほうが、まだ(とはいえ、それでも不審だが)実際に話すチャンスがあるのに、なにかおかしいと思わずにいられなかった。

そして、やはり10年くらい前にAから突然電話が来たことを思い出したのだった。

Aは、わたしの中学時代の同級生だ。
一年の時に同じクラスで同じグループにいた仲良しだが、とはいえ、部活や趣味などの共通点はなく、濃いエピソードや思い出があったかと言われると、NOだった。

ただ、その時の4人組は、定期的に連絡をくれる他の友達がいたこともあり、大人になってから何度か会ったり、一度は4人で一泊旅行に行ったこともあった。
ただしAと直接会ったのはその20代半ば?の旅行が最後だ。
そして、電話で話すこともなくなった。
原因は、Aと連絡が取れなくなったことだ。


当時、携帯電話は世にあったかもだが、一般普及はしてなく、連絡を取るのは皆、自宅の固定電話だった。
ので、電話をすると家族の誰が取るかわからないし、もちろん、取る方も、相手が誰か分からない状態。
だいたい電話は家に1台だったので、リビングや玄関先などにあり、親が出る可能性が多かった。
つまり「○○ですが、▲ちゃんはいますか?」と、取り次いでもらうのだ。
当然、親御さんと会話することになる。

わたしの父は私が幼いころから自宅で仕事をしており、結構な頻度で仕事の電話が来たため、父が電話に出る確率が高い家だった。
今も心に残っているのが、小学生くらいの頃、友達から「おからのお父さん、(電話の応答が)やさしいよね」と言われたことだ。
なんでも、取次の際「ちょっと待っててね」とか言ってくれるのがやさしいとかだった。
父は自室で電話を受けたため、取次場面をわたしが直接見ることはなかったが、そうなんだ~と意外だったのと、ちょっと嬉しかったのとで、覚えている。

友達の顔見知りの親御さんによっては、取次の際「あら、○ちゃん久しぶり、元気?」とか軽い問いかけなどなされたり、既知でなければ「誰かしら??」と怪しまれたりもする。
ちなみに、学生時代は学校名簿を入手したと思われる業者から、ワタナベなど、よくある名字を名乗り友達を装ったセールス電話も多かったのだ。(親はホントにそういう友達がいるかと思って取り次ぐが、出てみると英会話学校の勧誘とかだったり)

と昭和&平成初期の電話事情になってしまったので戻そう。


そんなわけで、次の旅行の計画が出た時にお誘いと都合伺いのため、A宅へ電話をしたが、いつも本人が不在。
折り返しの連絡を親御さんに頼んでも一向に連絡が来ない。

断りたいならそう言ってくれれば問題がないのに、なぜか折り返しも来ない。
何度か掛けるうちにその気がないのだと判断し、他の2人と相談して「もうこちらからは連絡しなくていいかもね」と縁が切れた。(と思っていた)。

その後、10年程度の時が流れた約10年前、唐突に電話がきたのだ、Aから。



続き↓


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