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岡山カレー日記7(スパイスカレーtirupati)

インドなら手で食べるのかもしれないカレー。
20年以上前、私が訪れたインドの町ではもっと水分多めの感じだったような気がするが、定かではない。

チキンコルマカレー(実は季節野菜のサンバルも食べた)

カレーとライスの他に副菜がいくつかついてくる。
(カレーの器から時計回りに)
・白菜のクートゥ(野菜と豆の煮込み)
・キャベツのポリヤル(ココナツ炒め)
・ブロッコリーのロースト(スパイスロースト)
・なすのアチャール(ピクルスオイル漬け)
・リンゴのパチャディ(ヨーグルトサラダ)
・ラッサムスープ(酸味のあるスープ)

最初はそれぞれの味と食感を楽しむ。
甘い、辛い、酸っぱい、渋い、苦い。

カオスの中に溶けていく

古代米のようにあっさりしたライスに
カレーをかけ、副菜を1種混ぜる。
またカレーをかけ、2種混ぜる。
3種混ぜる。

モロッコのフェズ、スーク(バザール)を歩く姿を思い浮かべてほしい。
たくさんの人とすれ違う。
ただ、たまにスローモーションになるかのように、
目が合い、ハッとするが次の瞬間には通り過ぎ、
また雑踏の中に消えていく。

口の中で繰り返されるカオス。
最初、辛いと感じたあの辛さは、別の辛さによって
辛さとは感じなくなる。
極端に言えば、甘く感じると言ってもいい。
ただ、はっきりと気付く瞬間がある。
あ!と辛さに気づいた時には、もうまたカオスに溶けていく。

スープもヨーグルトもかけてみる。
チキンのカレーは程よい辛さ、野菜は甘いとろみ。
食感と香りも砂埃のようにあたりの混沌を演出する。

美味いとは、これがこうだから美味いと言える必要はない。
モロッコのエキゾチックな空気感の如く、
何か煙に巻かれたようなカオスを楽しむことができる。

カオスは永遠に答えの出ない迷宮。
言い換えれば、クセになる。

スークを抜け出した私は、ほっと一息、チャイにひたる。
カレーに合うとか、カレーに合わせたチャイではない。

カレーを食べる国の人たちが飲むチャイを提供しているだけ。
とっても甘い。
暑い暑いインドを歩いていると、チャイを売り歩く少年がいた。
糖分が人間を生き返らせる。
元気になるチャイ。



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