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No.699 恐るべし、マカオの風水

一昨昨日、午前6時30分から「世界ふれあい街歩き」という番組で「カジノと路地裏 マカオ」が放映されました。ご覧になった方も、いらっしゃるのでは?
 
マカオは、中国の特別行政区です。ヨーロッパの最古の植民地と言われ、ポルトガル領でしたが、数奇な運命をたどった後、1999年に中国に行政管理権が移ったそうです。

そのマカオは、今やカジノと世界遺産を中心とした世界的観光地です。たまたま通りかかった地元の男性はホテルの関係者のようでしたが、不思議な形の建物について街歩きのディレクターの質問に愛想よく答えてくれました。

「あの建物の形は『鳥かご』に似ているだろ。観光客が一度入ったら出られないようにという意味なんだよ。」
と言いました。実際、増築を繰り返した館内は迷路のようで、迷ってしまう人が後を絶たないといいます。
 
「あっちは入り口がサメの歯みたいだろ。サメは一度食いついたら放さないからね。お客を簡単に放さないってわけさ。どれも風水を使って建ててあるんだよ。」
とも言いました。「風水(ふうすい)」は、西暦300年ごろに中国の郭璞(かくはく)によって伝えられた吉凶や禍福を占う思想です。既に1700年もの歴史がありました。
 
マカオのカジノの施設は40軒もあり、24時間年中無休だということも、その男性から聞きました。眠らぬ街マカオは活気があるように見えましたが、一獲千金を狙う観光客や資産家の夢の舞台であり、権謀術数をめぐらすマフィアの温床でもあるのでしょう。
 
児孫のために美田を残すこともなく、さりとて孫子の代まで借金を残すこともなく、ささやかな幸せを第一に子供3人を育んでくれた今は亡き両親のおかげで、何とか「命生き」をしている私です。
 
日本からマカオまでは3、000kmもないそうで、東京―マカオ間は飛行機なら4時間半ほどです。市民は穏やかで優しく控えめで信仰心もあり、とても魅力的でしたが、「鳥かご」といい「鮫の歯」といい、私の中では遠い存在のように思われました。

※画像は、クリエイター・こうさかしんやさんの、タイトル「【Macau】カジノホテルはベネチアだった?!」をかたじけなくしました。野望と熱気を感じます。お礼申します。