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フィクションとノンフィクションの隙間

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無形

思春期のころ考えていた自分らしさとか自分の存在とは、みたいなのじゃなくてそんな空虚なところから始まる問いじゃないというか、なんで今俺は生きているんだろうっていう題目自体はそんなに変わらないんだけど、今のは中までたっぷり要因が詰まっていてどれから考えを起こしていってもこの問いに帰結するっていう
密度の濃さ、無駄にした4年間はここに凝縮されてたんだなって思った
別にスーパーハイテンションタイムが終わっ

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時点

「確からしさ」みたいなものが無くなって、それは自身のことであったり周りの状況についてであったりするのですが、偽の穏やかさに満たされているような気がする
物事の理解が遅れてしまって的確な言葉や表情を当てることができないだけ、他人の言葉に怒ることが無くなったのだって引きこもりを経験したことによる他人に対して寛容さ、みたいな格好の良いものを獲得したからとかではなくただ後遺症として今現在は感情の振れ幅がと

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夢見心地で居たい

思い込みは必ず過去が作り出すものであって、憂鬱を運んでくる思い込みの所在地を見てみると思っていたより遠くにある事が多い
時間が止まっている感覚を持ちながら生きている人はもしかしたら遠い昔の幻想に目を奪われて足もとの現実から目を背けているのかも知れない
僕はそうで、幻滅したくなかった
いつ迄も首の凝り固まった空想を見ていたい
取り立ての呼び鈴も電話も聞きたくない
忘れかけている記憶に絡め取られたい

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アトピーと生きる

食事の回数も量も増えてきて体重もだいぶ戻ってきている
ただそれと同時にあちこちの傷口や爛れが再燃してきている
少ない食事で命を維持できていたのは紛れもなく引きこもっていたからであって、やはり人間が生きていくにあたり食べること止めるわけにはいかない
消極的な自殺を試みた事があったからこそ生きる為に必要な事も分かっているつもりだ
少し話を戻すと、だとすればアトピーは生きようとする人間が罹る病気なのかも

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敷居は世界よりも空気を別ける

登山用のリュックサックにお土産の手提げは2つ、埃と雨水で汚れたビニール傘を解きながら改札を抜けた
寒い
地上への階段を気まぐれに一足飛びをし登り切ると湿気った年の瀬を感じる
まだ冬の間を行ったり来たりしているらしい
一層冷たくなった目元から、二重に掛けられた使い捨てマスクの息苦しさにようやく気が付き、息を整えながらしっかり京都に肺をなじませてゆく
誰かの帰りを待っている車の群れの、ヘッドライトの光

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