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Hiroshima Peace Memorial Park

私は、生まれてこの方
ずっと広島に住んでいる。

夏休み中の登校日と
少し早めにくる宿題の締切が記憶に新しい。

学校での平和教育なるものが終わってからも
私は定期的に、平和記念資料館を訪れる。

特に理由はない。

前回来た時は、コロナ禍真っ只中で
外国の方はおろか、日本人でさえまばらで
展示の前にどれだけ長い時間居続けても
誰にも迷惑をかけることはなかった。

今は、G7サミットの影響もあり
事前整理券が採用されるなど
訪れる人が急激に増えた。

やはり、外国の方がほとんどだ。
平日のお昼すぎでも
途中で前に進まなくなるくらい
たくさんの人がそこに居て
「原爆」というものを知ろうとしていた。

展示を見ながら涙する人
真剣に説明書きを読む人
crazy………とささやく人

海外から広島に来て、この資料館を訪れ
現実を知ろうとしている人が
これだけいるという事実。

その事実が、何だかとても、尊かった。

私が足繁く資料館に通って
勝手に心動かされたとしても
平和のため、世界のためにできることなんて
限られている。

歯がゆいけれど、仕方のないことだ。

今、私ができることは、
周りにある「伝えたい」という気持ちを
全力で受け止めて、感じて
こうやって言葉にすることだけ。


今、私が働いている高齢者向け住宅に
94歳になった今でも、当時のことを伝えるため
精力的に活動されている方がいる。

伝承活動として、たくさんの取材に応じ
資料館の展示にも尽力され
絵本の執筆も続けられている。

分かりやすい言葉と絵で
原爆を知らない私でも、自然と涙するほどに
真っ直ぐに、人の心に届く絵本を。


たくさんの病気を抱えながら
「まだここでくたばるわけにはいかない」と
酸素ボンベを背負って歩かれるその後ろ姿を見て
私はいつも思う。

「格好いいな」と。

彼にとっては、生きる意味も
成すべき使命も明確で
だからこそ、こんなにも強い生命力を
持ち続けていられるんだろうと思う。

自分の言葉で、自分の体験を伝えられる方が
どんどん少なくなっている今

いつでも彼の言葉を
彼の口から聞くことができるこの環境は

本当に貴重で、有り難い。


大切に、真剣に、受け止めて、
伝えていきたいと、改めて思いました。




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