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人に褒められればOKなのか?

地獄のお箸トレーニングを受け続けた結果、
私は誰よりもお箸を使うのが上手だったようです。(後日母親談)

幼稚園の連絡帳には、「おこちゃんは今日もとっても上手にご飯を食べました!」と書かれ、お迎えに来る母親は「『おこちゃんのお母さんは、しつけがお上手なのですね^^』と言われた」と得意げ。

先生は、私にも誉め言葉を言ってくれたようだけど、私は無反応だったと母親は言っていました。
そして「あんたは子供らしく素直に喜べない子供だったね」と。

子供らしく遊んだり笑ったりはしゃいだりすべき大切な幼少期に、私は常に我慢し、恐怖を感じながら過ごしました。
あれだけぶん殴られたり蹴とばされたりして大泣きする毎日が続けば、誰だって子供らしさを失うはずです。
私が無反応な子だったのも納得だ。

自分の思うように動かない娘を見て、憎くて仕方なかったのでしょうね。
でも、母親が私にしたことは、明らかに人格を踏みにじる行為です。

母親も、親にひどい暴力を受けて育ったと聞いています。
母親が私にすることなんて、可愛いものだと。
なれば、親から子への暴力や暴言というものがどれだけ人の心に影響を及ぼすか、よく分かっているはず。
なぜ、それについて本気で考えてくれなかったのか。
そこだけが悔やまれてなりません。

子育ての目標は、「子供をまるごと愛し、その子の背中を押すこと」だと思います。
それが難しいのなら、まるごと愛そうと努力するだけでいい。

私が無表情である理由が自分のせいもあることを少しも考えようとしない母親。
もしかしたら父親が協力してくれなかったのかも知れませんが、その悲しみや怒りを子供に押し付けるのはやってはいけないことです。
大人なら、心の不調や行き詰まりを感じたら、誰かに相談したり、外へ行って気持ちを落ち着けたりするなど、他の方法を探ってほしかったと思います。

お箸の使い方なんて、人並みでいい。
殴られながら誰よりも早くできるようになる必要なんてなかったし、そもそも笑顔でご飯を食べたかった。

そういえば、「ほら!笑ってみろ!」「はきはき話してみろ!」と言われて殴られながら説教されたこともあります。
引っぱたかれて転がった後、そのまま泣いていると髪の毛を持って「はやく立て!」「前を向け!」

・・・

笑うという行為は、無理にさせるもの?
違いますよね。

ましてや幼稚園児なら、無理に笑うとか到底無理な話です。
笑わないのは、笑えない理由があるんです。

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