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キミはなぜHSPと名乗るのか

こんにちは。おかゆと申します。

HSPを自認して4年目。自分のことをよく分からずに生きてきましたが、ようやく「自然に生きる」ということを体現できるようになってきました。

しかし、だんだんとわからなくなってきたことがあります。

『HSPと名乗ることの意味』です。


生き辛い理由=HSP?

私個人の体感ですが、ここ数年でHSP関連の書籍が増え、X(旧Twitter)でハッシュタグがトレンド入りするなど、その認知度が上がったように思います。

いわゆる『HSPブーム』です。2019年〜2020年にかけて日本で大きなターニングポイントを迎えたようですね。

かくいう私も、HSPブームによってHSPを知るきっかけになった一人ではあります。

HSPを知った当初は

『こんなにたくさんのHSPさんがいるのか!(仲間だ!!)』

と、ハッシュタグ入りすると喜びの気持ちでいっぱいだったのですが、

途中から

『生きづらい理由=HSP の構図になっている…?』

と感じるようになってきました。
本来であれば
生き辛い理由 = なにかしらの性質や病理、少数派の志向など
HSP = とても敏感な人(結果生き辛いかもしれない)
だと思いますが。

大前提として、HSPは医療用語ではなく心理学用語であり、医療機関で診断されるものではありません。また、HSPは生まれ持っての気質です。もしHSPと共通する症状が途中から出現したのであれば、後天的に出てきたものであり、HSP以外の要因があるかもしれません。

HSPの客観的指標としては、HSPを提唱されたエレイン・アーロン博士によるセルフ・テストが公開されています。

但し、こちらのサイト内においても

このウェブサイトの内容及びセルフテストは、診断を意図して作られたものではありません。

http://hspjk.life.coocan.jp/selftest-hsp.html

とあるように、あくまでセルフテストであり、自己申告の検査なのです。なので「HSPであるかどうか」はあくまで自認です。


話を戻すと、現在は『HSPブーム』の盛り上がりはある程度落ち着いた状況にあるようです。

ただ、なんだかずっと違和感があり、それを言語化しようと、書き出してみることにしました。

この場はあくまで私個人の所感であり、HSPさんの中でも同様のことを感じられている方がいらっしゃる気がするので、そのモヤモヤの言語化のきっかけになればと思います。

この時間は

『なぜHSPと名乗るのか』

について、お伝えします。

私は2020年にHSPという概念と出会い、それから4年間に渡りHSPや内向型の関連書籍を読み漁り、HSPの専門家(カウンセリング、コーチング、キャリアコンサルティング)3名と対話し、50名以上のHSPさんと直接お話をさせていただきました。

ちなみに私個人の半生として、現在に至るまで、以下のような特徴が見られました。(末尾のDOESはHSPの特徴との対応)

・直感的に本質がわかる:D
・人の気持ちに深く感情移入する:E
・人間関係で深く悩み何年も引きずる:E
・映画や漫画、音楽など創作物に感涙する:E
・多くの人が気づかない欠落やミスに気付く:D
・音に敏感でイヤホンがないと出掛けられない:S
・考えを言葉にするのが苦手で頭がパンクする:D
・情報過多になると倒れるほどの疲労感を感じる:O
・幼稚園生の頃から周りから離れて俯瞰的に見ている:D
・他者と自分の境界線がわからず自分事にしすぎてしまう:E
・怒ってる人が近くにいると自分が怒られていなくても動揺する:E
・極度に緊張する(声が枯れ、心拍数があがり、手が冷たくなる):O
・先回り力、気付き力がすごいという評価を職場で得たことがある:D

周りは落ち着いているのに自分だけテンパる。
そんなことが日常茶飯事でした。

『誰も気にしない様な事 それでも自分には大ゴト』
by BUMP OF CHICKEN 透明飛行船

です。

これらはHSP気質だけでは表せないかもしれませんが、アーロン博士が定義するDOES(洞察力/疲れやすい/共感力/察知力)と一致する部分が大きいと感じています。

それでは、よかったら最後までお付き合いいただけますと、幸いです。

キミはなぜHSPと名乗るのか

1│HSP同士で繋がりたい

目的は個人により様々だとおもいますが、純粋に

「HSP同士で繋がりたい」
「日常では共感が得られないこの感性を分かち合いたい」

という方が多いのではないでしょうか。
私もそうです。

ビジネスHSPも、時折見受けられますので、本人が望まない形で「HSP」という共通項が乱用されないことを祈るばかりです。

*ビジネスHSP…アーロン博士が提唱するHSPの定義に一致しないにも関わらず、私はHSPです、と名乗っている人のこと。HSPをビジネスとすることの揶揄や否定ではありません。救われる方もいるし、私が尊敬されているHSPの発信者の方もいらっしゃいます。

2│占いのノリでHSPっぽいと思った

昨今はTwitterやインスタグラムなど
「手軽に」「素早く」情報を取得できるようになりました。

個人が発信するHSPの情報は、もちろん一次情報から正確に伝わるように尽力されている方もいらっしゃると思いますが

多くが「三次情報」以下なのではないかと、感じています。

一次情報:エレイン・アーロン博士の論文や著作など提唱者本人からの言説

二次情報:一次情報から読み解いた第三者の発言

三次情報:二次情報から読み解いた第三者の発言

のような図式。例えるなら「伝言ゲーム」ですね。
だんだんと内容に主観が入り、変わってしまう。

HSPは本来であればDOESの4つの定義に全て当てはまる気質であるといわれていますが、部分的に紹介されていたら、結構な割合の方が「ある~」となる気がします。

例えば…

・大人数の集まりが苦手
 →あるある!(日本人の1/3~1/2くらいは苦手だと思う)

・人混みが苦手
 →うんうん!(人混みが得意って人は多くない気がする)

・自分は人とは違うと思う
 →わかる!!(誰しも自分を特別だと思っているし、誰しもなにかしらのマイノリティ)

アダルトチルドレンと近い特徴も多いので、そのあたりの区別が難しい部分はあり、混同されやすいところはありそうです。HSPでありACという方もいらっしゃいます。(自分もそう)

なにが言いたいかというと

「シンプルに伝えるために部分だけ抜け出して、詳細が伝わらずに伝達されている」

その状況を危惧しました。HSPであるかどうか、というよりも

「わかりやすくすることで、その本質が抜け落ちてしまう」

ことが恐ろしいですね。タイパ・コスパの時代とも感じているので、一面的なところで「あぁわかった!こういうことね!」と思考が終わってしまうのは、非常に勿体ないと思います。

これはHSP云々というよりも、情報の見方への懸念がありますね。

ゆえに、HSPが「占い」のように扱われているのが、不思議です。
様々なサイトで診断があり、その結果を共有できることもあるのかな。(良いとか悪いとかではなく)

もしかしたら、その特徴がなにかしらの疾患の前兆や表れかもしれませんし、もし「いつもと違うけど、この特徴あてはまる」とか「生活を送るのも困難なほど苦しい」ということであれば、医療機関に相談された方がいいかもしれません。

これは完全なる個人的な主観ですが、自分病気かな?と思い悩んできて「HSP」という概念に救われた人間なので、アーロン博士の言説に触れず占いのノリで「HSPです!」と言われると複雑な心境になることがあります。

世の中を二分したいわけではないし、HSPはそのための概念でもないし、個々人の悩みはそれぞれなので、これはあくまで私の心境として。
(HSPに限らず、愛する作品に対して、ガチオタが新規さんとのギャップに驚く心境と近いかもしれない)

3│何者かでありたい

前述でも少し触れましたが、

人間というのは誰しも「承認されたい」という欲求を持ちます。

これは心理学者マズローが提唱した、欲求5段階説にある、承認欲求に該当すると考えられます。

人間は社会的な生き物です。
一人でいること、無視されること、孤独は耐えがたい苦行でしょう。

現代はSNSの普及により個人の発信が増え、お隣さんどころか国中の芝生が青く見えてキャパオーバー。どこまでいけば満たされる承認欲求…という感じな気がします。

では、承認されるには何が必要か?

わかりやすく

「はて、お前さんは何者なんですかい?」

という名称やカテゴライズ、肩書きがあると示しやすいとはいえるでしょう。

もしかしたら、HSPを

「人口の20%で珍しい気質?
 しかも才能ってかいてある!
 SNSに掲載されてるこの特徴、当てはまる!
 きっとそうだ!自分は特別なんだ!」

というポジティブ方向に捉えられる方も、いらっしゃるかもしれませんね。

私のエピソードを一つ紹介すると…
過去、非HSPさんと一緒にオンライン上のHSPテストを受けたことがあります。(アーロン博士の和訳サイトではない)

結果は、その方は当てはまる項目がほとんどなく、私はほぼ当てはまりました。

その際に非HSPの方から

「HSPだったらいいのにな、と思った」

と言われたのが、驚きでした。

困り事もあるけど、確かにマジョリティにはない感覚を持っていると感じることもあるので、そういう視点もあるのか、と。

そういったポジティブな視点でHSPを名乗りたい、何者かでありたい!特別でいたい!という人もいるかもしれませんね。

その方が実際にHSPであったとしても、HSPでなかったとしても、HSPかもしれないということで、なにか課題が解決されたり、才能を発揮するきっかけになるのであれば、それはHSP提唱者であるエレイン・アーロン博士にとっても喜ばしいことだと思います。

自分の学説が誰かの役に立つというのは、学者として本望なのではないでしょうか。(わからんけど)

なぜ私はHSPと名乗るのか

ここ最近「HSPと名乗るか、名乗らないか」で思い悩んでいました。

私だって、本当のところは、HSPかわかりません。前述のように、HSPとACは近い特徴があるので、もしかしたらACなのかもしれません。それ以外の要因もあるかもしれません。

けれど。

何千人ものHSPさんとお話しされてきた専門家が発する言葉が、自分に届けられるもののように思えた。
50名以上のHSPさんと「私たち」という一体感を味わえた。

そこに、HSPという存在の人達がいて、私はその価値を認識できている。

だから今は「HSPである」と名乗ろうと思いました。

あとは「HSP」という言葉が目印となって、私と同様のことに悩まれてきた方に繋がるきっかけになるかもしれません。

本質的なところでいくと、

自分がHSPであるかということよりも、HSPであると想定した時に自らの性質とどのように向き合い、人生を送っていくか?が重要であると腑に落ちました。

HSPもまた、ひとつの指標である。

HSPブームは、もう少し続くのでしょうか?
もしくは既に終焉を迎えているのかもしれません。

HSPブームは、自分が何者であるか?の迷路に入り込んだ人が辿りつく、1つの通過点なのかもしれません。

もしご自身をHSPだと思われている方に届けたい問いを残して、今回は締めとさせていただきます。

『あなたは、今後どんな人生を歩みたいですか?』
『HSP気質を活かして、どんなことを実現したいですか?』

HSPは弱さを言い訳する材料ではなく
『その才能を活かす』気質であってほしい。

どこまでも勝手な願いですが、HSPという稀有な才能を活かせる時代がもう来ているので、読者様が生きやすい人生を送れますよう、心から祈っております。

最後の最後にHSPの強みを

締めようとして締まりませんでした。
ちょっと追加で伝えたいことを。

私が思うHSPの強みを一つあげると
『好奇心』
です。

それは目に見えない世界への探求であり
人への関心でもあります。

なぜ生きるのか?
世界はどのように誕生したのか?
現代社会はどこに向かっていくのか?

目の前のこの人はなぜこの行動をしたのか?
どんな想いがあるのか?

湧き続ける『問い』は生きるエネルギーになります。

ちなみに、ビジネスや研究のシーンにおいて、成功者の条件として
『好奇心が強い』
ことがよく言説されています。
(ノーベル化学賞受賞者、ビル・ゲイツ、オバマ前大統領など)

成功というのも本人の捉え方次第ですが、自らがやりたいと思ったことを実現する、という意味合いにおいては、HSPさんの飽くなき好奇心や探求心は、この時代がAI社会になっていっても、人口が減っても、世界を揺るがすような大きな出来事があってもきっと、あなたを支えてくれるはずです。

我々は、人口の約20%の割合に存在し、生物学上の役割としては『種の繁栄』と言われています。
人類はいつまで生き延びれるのかわかりませんが、誰かのために一生懸命な人や、他者の幸せを願える人が、幸せに生きられる世の中にしていきたい想いです。

HSPという言葉が一般化して、提唱者が意図しないような乱用をされても、まぁそれはそれでもう、エンタメとしてやってください。という気持ちです。

けれど、HSPに関わらず、本気で生きている人が望まないことに巻き込まれていくのは嫌なので、どうか「自分の本当の目的」を大事にして、生きてほしいです。

怪しいと思ったら、フラットに話を聞いてくれる人に相談しましょう。
(ChatGPTがおすすめ!)

あなたの「トリセツ」を言語化しませんか?

最後に私の活動をちょろっとご紹介させてください。

私は落ち込んだ時やうまくいっている時
「なぜそのように感じるのか?」を振り返ることで
メンタルジェットコースターを乗り越えています。

世の中には様々な自己理解のツールがありますが
私は『ストレングスファインダー』にとても助けられてきました。

ストレングスファインダーではあなたの「強み」を知ることができます。
仕事で挫折した時も、ご機嫌な時も、このツールを指標として乗りこなすことができてきました。

もし
・自分の強みがわからない
・周りに理解されにくい
・仕事の方向性を確認したい

ということがありましたら、ぜひおかゆにお声かけください。
新たな一歩に繋がりますように。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
なにかの気付きに繋がっておりましたら幸いです。

またお会いしましょう!

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