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人生の片手間に〜エッセイガッサイ㉚ 『意味が変わってゆく熟語』

どうも、シンスケです!

季節も段々と過ごしやすい時期になりました。かくいう私も、眠たい目を擦りながら(知らぬ間に寝落ちしていますが・・・)秋の夜長に読書を楽しんでおります。



私が今読み進めている本はというと↓

になります。

この作品は、以前から中村佑介さんが描くイラストやアジカンの楽曲などが印象に残っていて、いつかは読みたいと思っていた一冊です。

さて、この作品を読み進めていくうちに何やら難しい慣用句が出てまいりました。

【筵(えん)を分かつ】

皆さんはお分かりですか?

東堂は暗澹(あんたん)たる顔をしており、今に首でも吊りそうな気配がした。もう何もかもどうでもいい、ここで会ったのも縁だ、パアッと奢ってやるから来いよと言われた。捨て鉢な凄みも漂っている。いささか怖い。ついに押し切られて、私は彼女の乳を揉んだ憎むべき男と筵(えん)を分つこととなったのだが、もちろんその時はそうとは知らない。

『夜は短し歩けよ乙女』40ページ一部抜粋

私は、文章の一連の流れから

『酒宴の席(会合)を共に過ごす(分かち合う)』

と解釈いたしました。

しかし、この【分かつ】という言葉そのものが持つ意味としては

一つのものを離して二つ以上にする。別々にする。分ける。「軍勢を二手に—・つ」
(「頒つ」とも書く)それぞれに分けて配る。分配する。「希望者には実費で—・つ」
見分けて決める。判断する。「理非を—・つ」「黒白を—・つ」
仕切る。区別する。「昼夜を—・たぬ突貫工事」
同じ感情をお互いに持ち合う。「悲しみを—・つ」
(「袂 (たもと) をわかつ」の形で)人と別れる。また、同じ行動をしてきた仲間と縁を切る。「僚友と袂を—・つ」

デジタル大辞泉(小学館)より引用

とあります。

先程は分かち合う(シェアをする)と解釈致しましたが、分ける(切り離す)という180度意味の異なる熟語なんですね。

このように、前文の言葉などで熟語の意味が変わっていく『分かつ』という熟語

『秋茄子は嫁に食わすな』

くらいイジワルな言葉ですよね(笑)

その他にもこういう類のモヤモヤする熟語がいくつかあったような気がします。

皆さんも何か発見したら教えて下さい!









あっ間違いました、芸人『あかつ』でした。


本日も、一読ありがとうございました。

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