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お手入れの話

私は、物持ちがいい方ではありません。だけど、これからは物を大切に扱っていこうと決めました。

888年から存続する仁和寺。昨年秋、名宝展があり、その時に刊行された図録を読んだのです。

歴史の長い仁和寺には、膨大な国宝や古文書などの資料が残っているそうです。膨大な資料を長期間残していくには、唯ならぬ努力があることがうかがえました。昔の記録には資料を虫干しするスケジュールなどが書かれているとのことで、きれいに保つための努力が確実にされていたのです。 

そして、仁和寺学芸員の朝川美幸さんの言葉が心に刺さりました。

「保とうとしなければ、簡単に失われてしまう」

あぁ、そうなんだな。
仁和寺の1135年の歴史の中、今残っているものを、失ってしまうこともできたのです。

今があるのは昔があるから。

昔のことを忘れてしまっても生きてはいけるけれど、
歴史に感謝して尊重して生きていくこともできる。

歴史は私たちに尊重することや保全することを強いてきたりはしないけど、
物に対する思いやりを持つことは歴史を尊び、そして自分自身を確立する道でもあると思い至ったのでした。 

左はお菓子。

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