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後悔

トリンコマリーから寝台列車でコロンボへ向かう
コロンボまで約8時間
薄暗い駅のホーム
人は疎らだ
水を買いたいがキオスクは全部閉まっている
車内で買えるのだろうか
そんな心配をする
 
しばらくすると電車が到着
車内は思いのほか空いている
座席もきれいで足元も広々としている
新幹線に乗っているような快適さ
インドの電車とは違う
あの時見たインドの電車には2度と乗りたくない
 
電車が動き出し数分すると直ぐに売り子がやってきた
水を買う
ついでにスナック菓子も
これで安心
 
インドの電車のように扉はあるが開いている
夜風を浴びながら真っ暗なスリランカの風景を眺める
 
コロンボに到着
スリランカ一の大都市だけあって早朝にも関わらず人が多い
密集度はインドほどではない
 
スリランカの首都はコロンボ郊外のスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ
中学の頃よく「首都当てクイズ」をやった
その時必ず出題された人気の首都
ただ名前が長いだけであると思うが
 
お腹は空いていなかったが何か買っておこうとお店を探す
早朝だということもあり開いているお店がない
しばらく彷徨い1軒だけ開いていたパン屋へ辿り着いた
品数は豊富であるが食べたいパンがない
惣菜パンはエッグとフィッシュ
なんとなく怖いのでドーナツを2個買った
 
そのまま予約しているホテルへ歩く
空がだんだん明るくなってきた
同時に暑さが増していく
ホテルに到着する
外観はなかなかきれいなホテル
ホテルというよりアメリカでよく見るのモーテルといった感じだろうか
部屋は2階の角部屋
ベッドシーツも汚れていない
窓からの景色もなかなかいい
シャワーはぬるま湯も出る
インドの安宿に比べたらとても快適
 
窓はあるがその上の通気口に扉がない
奴らが入り放題だ
天井から蚊帳がぶら下がっている
そういうことか
 
長旅で疲れ切っていたのでそのままベッドへ
ウトウトし始めた耳元であの音が木霊する
人間の耳に1番よく聞こえる周波数のあの嫌な羽音
 
 
 
音に反応し左頬を叩いて目が覚めた
扇風機のタイマーも切れていた
3時過ぎの出来事
 
夢の中で蚊帳をセットしていればよかった



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