見出し画像

《NYフードエッセイ ヘルシーギリシャ料理!》

地中海式ダイエットというものがあるらしい。それはギリシャやイタリア・スペイン南部の食生活を取り入れた食事法のことで、バターではなくオリーブオイル、獣肉よりも魚介類、それにナッツ類、野菜、レモン、ヨーグルトなんかをたっぷりと採る。それが健康及び美容に良いとされ、無理せず減量できるのだとか。

ダイエットどころか痩せ過ぎで毎回健康診断に引っかかり、周囲からは「食べろ太れ給食を残すな」と言われながら育った私には初耳であった。そしてそれ以前に、(ここからが本題です。)地中海料理とは一体何なのかもニューヨークに来るまではほとんど何も知らなかった。イタリアやスペイン料理ならば少しくらいは分かるが、ギリシャ料理に関してはからっきし。何かフェタ?とかいうヤギのチーズ?をよく食べるらしいね〜。くらいの知識である。そのフェタも独特の味わいと聞くし、全体的にギリシャ料理って癖がありそうだなと勝手なイメージを抱いていたのである。

そのギリシャ料理を初めて食べた感想は、、、ごめんなさい。結果とても美味しかったです。
フェタは塩気が効いていて、サラダの上で崩しながら食べることで、かけてあるオリーブオイルと混ざりとてもマイルドで食べやすい味わいになった。

画像1

ギリシャ料理は野菜もたっぷり採れるし、何より味にくどさがない。私の知る限り、肉も魚も日本のようにやれ霜降りだの大トロだのと脂身を使わないので、素朴で引き締まった味がする。味付けが塩とレモン中心なのも良い。大体私は昔からレモンに目がなくて、袋詰めのアソートキャンディなんかは必ずレモン味から無くなっていた。なので、お皿にレモンが添えられているのを見るだけで、とても嬉しくなる。(でも同じ柑橘でもライムではいけない。レモンのあの甘酸っぱい匂いがたまらないのだ。)
更に言うと、『レモン』や『オリーブ』という言葉の響きも素敵だ。聞けばたちどころに、地中海の小さな島に立ち並ぶ、白い壁に青い屋根のギリシャ的な家々が脳裏をよぎり、なんとも爽やかな気分になるではないか。…とまぁ話がそれましたが、ともかくギリシャ料理は動物性脂肪が少ないので、胃もたれや食べ疲れとは無縁の食事なのである。

特に美味しかったのはお魚!
ブランジーノという白身魚で、スズキに似た味わいらしい。(『らしい』というのは、私がスズキの味をいまいち覚えておらず比較ができなかったからです。)
塩、レモン、ハーブで味付けした魚をグリルした、素朴かつ豪快な一皿で、その身はフレーク状にホロホロとはがれ落ち、余分な脂が無いにも関わらず噛むとしっとり柔らかく、旨味がじゅわっと口いっぱいに広がるとても美味なお魚でした。

画像2

レストランでは調理される以前の、新鮮な姿形は見れなかったけれど、後日その全貌はスーパーのシーフードコーナーにて明らかになった。それは全体的に黒くて地味だけれど、輝かしい鱗と凛々しい目を持つ魚だった。鯛よりは小さいけれど鯵よりは大きい、中くらいの魚で、小柄ながらも引き締まった筋肉を持つ、日焼けしたマラソン選手を彷彿とさせるような精悍な顔立ちをしていた。


ブランジーノのグリル。
地味で素朴だけれど、滋味溢れる輝かしい味わい。その一皿から、ギリシャという国の魅力を少しだけ垣間見れたような気がしたのでした。

この記事が参加している募集

最近の学び

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?