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そのサッカーを疑え!

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2019年3月の記事一覧

サッカー中継“あるある”に一言。2-0という状況は本当に危ないのか

サッカー中継“あるある”に一言。2-0という状況は本当に危ないのか

 サッカー中継「あるある」の一つに2-0話がある。スコアが1-0から2-0になると、実況アナ氏は「サッカーでは2-0は鬼門とされています」的な言葉を、待ってましたとばかりに吐く。そこでもし、1点奪われれば2-1。こうなれば追う側に勢いが付き、追われる側は嫌な気になる。同点は見えてくる。試合の行方は分かりませんーーとやる。十年一日のごとく。

 少なくとも第3者にとって、試合への興味は1-0より2-

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大迫勇也不在でも日本はセンターフォワード中心主義を貫けるか

大迫勇也不在でも日本はセンターフォワード中心主義を貫けるか

 先週行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦、ユベントス対アトレティコ・マドリーの第2戦は、大仰に言えば現代サッカーを語る上で欠かせない試合だった。

 アトレティコホームで行われた第1戦は2-0。アトレティコがセットプレーから2ゴールを奪い、勝利を手堅くものにしていた。ところがユベントスはその第2戦を3-0とし、通算スコアを3-2とする大逆転勝利を収めることに成功した。守らせ

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鮮明になってきた川崎Fのアキレス腱

鮮明になってきた川崎Fのアキレス腱

 3戦して3分け。J1リーグで3連覇を狙う川崎フロンターレの勝ち点は現在3で、13位と出遅れている。開幕直前に行われたゼロックス・スーパーカップで浦和レッズに勝利した試合も、相手の低調なプレーに救われた結果と言えた。順位は徐々に上がっていくだろう。早晩、上位に名を連ねると思うが、3連覇となるとどうだろうか。

 昨年、一昨年との違いは右サイドバック(SB)にある。2年連続Jリーグベスト11に輝いた

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「保身に走る監督」対「サッカー競技の発展、繁栄を考える監督」という対立軸

「保身に走る監督」対「サッカー競技の発展、繁栄を考える監督」という対立軸

 サッカーはGKで決まる。劣勢の試合をGKのファインセーブでモノにした時など、特にそう言いたくなる。瞬間、GKの力量は結果に3割ぐらい影響しそうな印象を与えるが、一方で、GKの活躍がスコアに関与しない試合も同じくらいある。攻められる機会が少なく、GKが活躍せずに勝利を飾れば、GKの重要性は忘れがちだ。

 センターフォワードの重要性もGKに似ている。3割と言いたくなる場合もあるが、それほどだと思わ

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